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DMC-LX3

Last-modified: 2008-09-10 (水) 13:48:09 (5699d)
分類デジカメ
メーカー・ブランドパナソニック
製品リンクLUMIX DMC-LX3
購入店Bicカメラ

LUMIX DMC-LX3

フルマニュアル撮影ができるコンパクトデジカメ。
24mmの広角(35mm換算)と、F2.0という明るいレンズが特徴。


マニュアル撮影機能が充実。
LUMIXシリーズの特徴でもある「おまかせiAモード」も搭載。
フルマニュアル,フルオートどちらでも撮影できる。


ハイエンドコンパクトという位置づけらしく、値段はちょっと高め。コンデジの売れ筋は3〜4万のようだけど、LX3は6万前後。
その分、フルオートのみのコンデジでは取れない写真が撮れる――かもしれない。

購入理由

私が買うデジカメは基本的にコンパクトデジカメ。いわゆるコンデジ。
どこにでも持って行けていつでも写真を撮れるような「持ち歩きデジカメ」が好きで、当分は一眼に手を出すつもりはない。


LX3の直前に使っていたのは、リコーのCaplio R7。ソニーのCyber-shot DSC-T9から買い換えたものだけど、使っているうちに不満点が多くなってきた。
そこで、マニュアル撮影が強いデジカメに買い替え。

Ricoh Caplio R7で不満だった点

R7はフルオート機なので、当然マニュアルで設定できる項目が少ない。
シャッターを切るだけで撮れるのは便利だけど、シャッター速度や絞りを変えることができないことに不自由さを感じていた。


リコーのデジカメで撮った写真は、シャープだけどノイズが乗りやすいという特徴がある。
R7のレンズはあまり明るくない(開放F3.3-F5.2)ので、少し暗い場所だとノイズが気になってくる。室内でフラッシュなしで撮った画像は、PCに取り込んだあと、たいていレタッチソフトでノイズ除去をかけていた。
特徴の1つである最大7.1倍という高倍率ズームも、暗めなF5.2のレンズでは使いこなすのが難しい。実際には最大倍率で撮ったことはほとんどなかった。


液晶ファインダーの表示と撮った写真が食い違うことが多かったのも気になったところ。
ファインダーの設定の仕方が原因かもしれないけど、明るさやホワイトバランスがファインダー表示と保存した画像で大きく差があった。
オートホワイトバランスもあまりアテにならない感じで、ホワイトバランスはほとんど自分で選択していた。


細かいところだけど、三脚穴もイマイチ。
三脚穴が樹脂製で強度が不安。三脚穴が電池蓋の近くにあるせいで、三脚つけると電池蓋が開いてしまう。
三脚や一脚をつけて撮ることが多いので、かなり気になっていた。


なんとなく、R7は屋外で使うのが向くようなデジカメという印象。
でも、なるべくならあまり使う場面を選ばないものの方がいい。


結局、買い換えたもののソニーT9と比べて、使い勝手の面でメリットが乏しかった。(画質は上がったと思うけど)

購入のチェックポイント

R7での不満点を踏まえて、新しいデジカメを買うには次のような物にしようと考えていた。

  • マニュアル撮影機能が充実している。
  • 普段持ち歩くのに不便がない。
  • 三脚穴は金属製でしっかりしている。
  • 屋外だけでなく、屋内でもフラッシュなしで十分使える。
  • 1cmマクロが使える。(これはT9で使ってみて面白かったので)

この条件にほぼ当てはまったのが、パナソニックのLX3と、リコーのGX200。
レンズの明るさと写りの好みで、LX3を選択。
大きさと重さと値段の高さに躊躇したものの、一晩と1時間悩んで購入した。ちなみに、R7はソフマップ買取で12,500円になった。

買い換えて変わったところ

プラスポイント

フルマニュアルで撮れる
やっぱりこれが一番大きい。暗いとわかっていてシャッター速度を上げたり、絞りを変えて被写界深度を調整したりといった、フルオートではできなかった事ができるようになったのはうれしい。
室内でもかなり明るい
蛍光灯だけでも十分に明るく写せる。iAオートではISO400までしか感度が上がらないが、感度不足は感じなかった。
三脚穴は金属
マクロ撮影ではコンパクト三脚,遠景では一脚と付け替えるので、三脚穴が金属なのは安心。一脚は付けたまま動き回ることが多いし(あまり良くない)。
R7と違って、三脚/一脚の取り付けに電池蓋が干渉しないのも良かった。
ノイズが少ない
ISO感度があまり上がらないので、あまりノイズが出ない。
画像処理でノイズを減らすと被写体の細かい部分が潰れやすいので、これは好みによるかもしれない。ノイズ低減はあまりかけずにディテールをしっかり残す、リコーのような処理の方が好きな人もいると思う。
LX3の画像は、個人的には好みの画作り。

マイナスポイント

もちろん、全てが良くなったわけではなくて、マイナスだったところもある。

でかい
一回りどころではなくサイズが大きくなった。ポケットに入れて持ち運ぶというのはまず無理。
本体も分厚い上に、レンズ部がかなりデカイ。鞄に入れるのにもそこそこスペースが必要。
重い
約160g→約265gと、100g以上重くなった。もっとも、ある程度重量があったほうが、構えたときに安定しやすいこともあるけど。
ズーム倍率が低い
7.1倍→2.5倍と大幅ダウン。
AFが遅いことがある
R7ではすぐにピントが合うところでも、LX3では時間がかかることがまれにあった。色の差が少ない被写体は苦手としてる印象。

本体サイズ,重さ,ズームはカタログスペックと店頭で触ってみてわかっている事なので、承知の上。
もともとあまり高倍率のズームは使っていなかったので、ズーム倍率の低さはあまりデメリットにならない。
AF速度は気になるほどじゃないけど、少し不安な部分。

使ってみて

明るいレンズ

LX3の一番の特徴は、広角端開放でF2.0の明るいレンズだと思う。マニュアル撮影に強いコンデジはリコーのGX200など他にもあるけど、コンデジクラスでF2.0というレンズはあまりない。
しかも、望遠端でも開放F2.8。普及機コンデジの広角端より明るい。
夜の室内でiAモードにしてフラッシュ無しで撮ってみると、感度はISO400でシャッター速度が1/50くらいになった。手ブレ補正もあるので、フラッシュなしでもほとんどブレることはなさそう。


ズームレンズは、広角で伸びて望遠で縮む。たいていのカメラは望遠にするほど伸びるので逆の動き。ちょっと変わってる。

絞りと浅めの被写界深度

LX3は他のコンデジより被写界深度が浅くなりがちな印象。合焦ポイントからあまり離れていなくてもボケ気味になる。F値が小さいからかもしれない。iAモードで風景を撮ると、予想以上に遠景,近景がボケることがあった。


絞りはF8.0まで絞り込むことができるけど、あまり大きく絞り込むとかえってボケる。
風景を撮るなら、F5.0〜F6.0くらいが一番シャープに撮れるように感じた。

AFの特徴

AFの許容範囲が大きい。多少ぼけていても、ある程度写せる状態ならフォーカスマーカーが緑になる様子。
なので、撮ったあとで見てみるとぼけ気味に写っていることもある。


フォーカスマーカーが点灯する範囲は少し狭いように感じた。AFをマルチにしていてもマーカーが点灯するのはたいてい1つ。たまに2つ。3つ以上点灯することは滅多にない。
フォーカスが合っている部分でも点灯しないことがある。
リコーR7では、フォーカスが合っている部分はなるべくマーカーが点灯するような動きだったので違和感がある。


オートではパンフォーカスにはならないっぽい。
MFで∞にして絞りをF5.0〜F6.0くらいにすると、ほぼパンフォーカスになる。F7.0くらいまでは大丈夫なようだけど、F8.0は気になる程度にはぼけが出てくる。


iAモードでは常時AFが働く。ロックオンして自動追尾していなくてもフォーカス合わせをする。いかにもバッテリーに悪そうな挙動。
AFが動きまくることで、かえって狙った被写体にフォーカス合わせるのに時間がかかるような気がする。
個人的には、この動きはあまり好きじゃない。


AFの合焦速度はあまり速くない印象。ときどきフォーカスが迷うこともある。
使いにくいほど遅くはないけど、もたつきを感じることがある。ひとまず、リコーのR7やソニーのT9よりは遅い。
あまり動かないものを撮るなら問題にはならないと思う。
動きの速いものを撮るなら、ちょっと不安。

自動追尾AF

LUMIXシリーズの新モデルに搭載された「追っかけフォーカス」は、面白い機能だと思う。
被写体をロックオンすると、ファインダー内に被写体がある限り、フォーカスマーカーが追尾してフォーカスを合わせ続ける。


ロックオンできる被写体の条件はやや厳しい。AFが合う被写体でもロックオンできないことがある。
色で判断しているようで、ロックオンしたものと似た色のものが近く入ると、ロックオンのマーカーが飛ぶこともあった。


面白い機能だとは思うけど、これを使うシーンがいまいち思いつかない。
フォーカスを合わせ続けるけど、シャッターを半押しにすると改めてフォーカスを合わせ直す。
そのせいで、かえってタイムラグが大きくなるように感じた。
シャッターを半押しにすると普通にAFロックがかかって、それ以降は追尾しなくなるのも、使いづらいところ。


半押しをせずに一気にシャッターを押し込むなら、多少は意味があるかもしれない。
ただ、自動AFはフォーカスが若干甘い気がするのであまり当てにはできない。


結局、動くものを撮るなら、置きピンで連写する方がいいような気がする。

やや持ちにくい本体形状

コンデジサイズのためか、本体右側のグリップ部分にあまり余裕がない。
いちおう指をかける出っ張りはあるものの、しっかりホールドするのは難しい。どうしても指先で持つような形になってしまう。
背面のボタンやジョイスティックを操作する時はなおさら。右手は指先を軽く添えてるだけのような不安定な持ち方になる。


本体の重量があることもあって、片手持ちで撮るのは厳しい。というか無理。
両手でしっかり固定する持ち方ができないようなら素直に三脚。私は一脚を使うことが多いですが。
どうしても片手で撮るなら、ストラップをしっかりと手に巻きつけるべきだけど、付属のストラップはそういう用途には向きそうにない。

混乱する設定項目

メニューから表示する設定項目は、あまりカテゴリ分けされていなくて、目的のものを探しにくい。
さらに、撮影モードによって内容が変わる。
表示されていないものがあったり、灰色表示で使えないものがあったり。
撮影モードごとに設定できるものと、全モード共通の設定が混在している。


撮影でよく使うものはジョイスティックで簡単に変えられるとはいえ、設定メニューの内容はもう少しわかりやすく整理して欲しい。

レンズキャップ

たいていのコンデジは、レンズの保護のために自動開閉のレンズバリアが付いてる。
LX3はレンズの保護のためにレンズキャップをつける。レンズが本体に完全に収納されないので、キャップになったのかもしれない。
撮る時にいちいちレンズキャップを外さないといけないのはちょっと手間。
その代わり、鞄の中に入れていても、不意にレンズが露出してしまうということがないのは安心できる。(R7は時々レンズバリアが開いてることがあった)

USBコネクタは独自形状

USBマスストレージクラスに対応していて、本体にPCと繋ぐためのUSBコネクタが付いてる。
でもそれが一般的なミニB型じゃない。
AV出力と共通のコネクタで、たぶん独自形状のコネクタ。
記録メディアがSDカードなので、カメラ本体をPCに繋がなくてもメモリカードリーダーを使えばいいわけだけど、直結して画像を読み込めない不便。

ハンドストラップが欲しい

カメラ本体は左右両吊りのネックストラップを付けられるようになっていて、付属ストラップも両吊りのもの。
メーカーが力を入れて作ったらしいけど、鞄の中にカメラを入れる時はかなり邪魔。
ショルダーバッグなどに入れて持ち運べるサイズのデジカメなので、鞄に入れることも考えた邪魔にならないハンドストラップがあったほうが良かった。


ストラップなしで撮るのは慣れてないので付属の両吊りストラップを付けているけど、丈夫ないいハンドストラップを見つけたいところ。

Wiiリモコンストラップを付けてみた

これまで保守部品扱いだったWiiリモコン用ハンドストラップの一般販売が始まった*1。LX3にちょうど良さそうだったので、買ってきて付けてみることにした。1本300円。

 
lx3_handstrap_s.jpg

シンプルな紐ストラップなので、カメラにつけても邪魔にならない。
ストッパーが付いていて、手首にしっかり固定できるので、カメラを落とす心配も少ない。
Wiiリモコンの振り回しに耐えられるくらいなので、付紐も太くて丈夫。Wiiリモコンはジャケット付で184gらしく、265gのLX3はだいぶ重量に差があるけど、振り回すわけじゃないから問題ないはず。


これで鞄に入れやすくなった。丈夫なストラップで手に巻き付けやすいので、カメラを固定しやすくなって、少し操作しやすくなった気がする。


リコーGX200の画像と比べてみて

「マニュアル撮影が強いハイエンドコンパクト機」という位置づけで、LX3はリコーのGX200と似たような位置にあると思う。
LX3でいくつかためし撮りをして、GX200の画像と比べると、結構特徴に差がある。

ノイズ処理
LX3はレンズが明るめでノイズが乗りにくい上に、あまりノイズを残さないようにノイズ除去をかける。一方、GX200はあまりノイズ除去をかけないように見える。
結果として、GX200はノイズが多めな反面、ディテールが崩れにくいシャープな画像になる。
LX3はノイズが少なくて一見して見栄えのいい画像になる反面、少しぼけ気味になりやすい。
手動でノイズを取るのは大変なので、LX3のほうが撮った後の画像は使いやすいかもしれない。ノイズ除去をうまくできるなら、GX200の方がいいかも。
AF性能
これは店頭で触ってみた感じでは、GX200の方がよさそう。
合焦速度はほぼ同じかGX200の方が若干早い。LX3は時々AFが迷うことがあるけど、GX200は苦手な被写体が少ない印象(店内で視界に入るものでは)。
AFの駆動音はGX200の方がちょっと大きいかも。
ベスト条件下での画像
明るくてノイズが出にくい状況なら、GX200の方が綺麗な画が撮れる印象。
悪条件下での画像
LX3の方が粘る感じ。ディテールは甘くはなるけど、何とか見れる画になる。

欠点を踏まえて使いこなすなら、GX200がいいかもしれない。
LX3は汎用性が高くて手軽に使える。あまり細かいことは気にしなくていい。

まとめ

あまりクセがなくて使いやすい。
持ち運びしやすいコンパクトサイズで、フルオート,フルマニュアルどちらでもいけるのは便利。
暗い場所でもあまり感度を上げなくてもいいので、場所を選ばず撮ることができる。画像のノイズも少なめ。


本体がやや持ちにくいのと、ボケが出やすいことは、ちょっと使いづらいところ。
本体は三脚/一脚で支えるようにすれば何とかなる。手に持って使うときは、左手でしっかり固定。
ボケが出やすいのは、iAモードよりシーンモードやマニュアル機能を使うようにすると多少抑えることができそう。ただ、液晶ファインダーではわかりにくいのが難点。


これまでの不満点がほぼ解消されたのでかなり満足。ちょっと高かったけど。
機能が豊富で、いろいろと面白い撮り方もできそう。

外部リンク

レビュー:マニュアル撮影が楽しい広角ハイエンドコンパクト――LUMIX「DMC-LX3」 (1/6) - ITmedia +D LifeStyle
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0808/13/news006.html

関連の自分ブログ

LUMIX DMC-LX3を見てきた 日記と雑記と覚え書き/ウェブリブログ
http://suzunari.at.webry.info/200808/article_7.html


LUMIX DMC-LX3 購入 日記と雑記と覚え書き/ウェブリブログ
http://suzunari.at.webry.info/200808/article_9.html


LX3にハンドストラップをつけてみた 日記と雑記と覚え書き/ウェブリブログ
http://suzunari.at.webry.info/200809/article_2.html



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*1 2008/09/04から