いつか、届く、あの空に。【考察と資料】 のバックアップ(No.2)
北欧神話
「いつ空」は北欧神話をベースにしているけれど、元の北欧神話からアレンジされていて、設定が違う部分もある。
- ラグナロク
ラグナロク発生までの流れが、北欧神話と「いつ空」でずれがある。ただ、これは神話の解釈の違いとも考えられる。
北欧神話 | いつ空 |
フィムブルヴェト発生 →太陽が飲み込まれる&月が切り裂かれる →世界のあらゆる封印が解ける →ロキやフェンリルなどが神の世界(アースガルド*1)に向けて進攻開始 →アースガルドの門番ヘイムダルがギャラルホルンを吹いて開戦を告げる →ラグナロク | 吹雪(フィムブルヴェト)発生 →太陽が飲み込まれる&月が切り裂かれる →赤い雄鶏が鳴く →金色のとさかの雄鶏が鳴く →赤茶けた雄鶏が鳴く →ラグナロク と考えられている。 |
ラグナロクはいつ起きたのか(過去)、いつ起きるのか(未来)不明。 | 本編中はラグナロク開幕直前。 |
光の神バルドルがロキの策略によって死に、光を失った世界をフィムブルヴェト(冬の中の冬)が襲う。 | スコールが太陽に追いつくことで、吹雪が発生。 |
フィムブルヴェトは3年間続く。その間に人の世界(ミッドガルド*2)でも戦争が起き、崩壊へ向かう。 | ラグナロク直前に全世界的な吹雪が起きるが、吹雪は短期間でやんでいる。 |
開戦の合図はヘイムダルが吹くギャラルホルン。ただし、その前に魔物の進攻は始まっている。 | 開戦の合図は雄鶏の鳴き声。鳴き声を聞いて、魔物の進攻が始まる(鳴く前は進攻は始まっていない)。 |
世界のあらゆる封印が解ける →終末を知った女巨人エッグセールが竪琴を鳴らす →竪琴に合わせて3羽の雄鶏が鳴く →鳴き声を聞いて目を覚ました巨人たちがアースガルド進攻部隊に合流 3羽の雄鶏とラグナロクの開戦は直結していない。 | 3羽の雄鶏が鳴くことで、ラグナロク開戦。関係は直結している。 |
太陽が飲み込まれ月が切り裂かれることで封印が解け、フェンリルは自由になり、アースガルドへ進攻開始。 | 太陽は飲み込まれず、月は切り裂かれなかったのに、フェンリルは開放されオーディンと戦う。 |
人間は、フィムブルヴェト中の戦争で崩壊気味。 ラグナロク末期に、スルトが振るった炎の剣は世界を焼き尽くし、人間も滅びる。 しかし、ユグドラシルに隠れていた2人の人間は助かる。 | とりあえず、人間は太陽の光があれば平気らしい。 |
太陽はスコールに飲み込まれる直前に娘を生み、これがラグナロク後の世界の太陽となる。 | スコールに太陽が飲み込まれると、太陽は失われると考えられている。 |
特に大きな違いは、次のポイント。
フィムブルヴェトの規模と発生タイミングが大きく違う。
北欧神話のフィムブルヴェトは3年にもわたって続き、その間に人間の世界(ミッドガルド)は荒廃してラグナロクの前に崩壊への道を歩み始める。フィムブルヴェトはラグナロクの前兆になったものの、直接ラグナロクには関係していない。
「いつ空」では、世界的なものではあるものの普通の吹雪。それも、ラグナロク直前に短期間だけ発生している。人間の世界が大きな影響を受けた様子はない。ラグナロクの予兆で、ラグナロクが成立しなくなったら消えていることから、直接関連している様子。
北欧神話では、太陽と月が失われることでロキやフェンリルなどの封印が解けたことが、戦争の直接の原因。つまり、太陽と月が失われなければ、封印は解けずに戦争は起こらない。
「いつ空」では、「異ならぬ世の終わりより」でオーディンとフェンリルが戦っている。太陽と月は失われていないので、封印などは関係なく戦争が起きている様子。しかし、「異ならぬ世の終わりより」ではラグナロクは起きていない。つまり、「神々と魔物との決戦」と「ラグナロク」は別物と考えられる。
ラグナロク開戦の合図は、北欧神話ではヘイムダルのギャラルホルン。「いつ空」では赤い雄鶏の鳴き声。太陽と月が失われることが条件になっているのは共通。
北欧神話では、「開戦の合図」は文字通り「戦闘開始の合図」。ギャラルホルンが吹き鳴らされたり、雄鶏が鳴き声を上げる頃には、すでにロキやフェンリルはアースガルドへの進攻を開始している。仮に「開戦の合図」を止めたとしても、それは神々の迎撃準備が遅れて不利になるだけで、終末戦争自体は回避できない。
「いつ空」では、「開戦の合図」である雄鶏が鳴かなければ、ラグナロクは始まらない。というより、キーとなる条件が揃わなければ、発生しないもののように思える。
「いつ空」風にいうなら、この『ラグナロク』とは「終末と世界の滅びが約束された言霊」なのかも知れない。
戦争が起きていても、『ラグナロク』という言霊が発動しなければ、結末は決定されない。それなら、言霊を回避しさえすれば、神々が魔物を撃ち滅ぼし、世界の崩壊は防がれることもありえる。
- グングニル
北欧神話では、ドヴェルグ(ドワーフ,妖精,小人)のが鍛えた、鋼の穂先とトネリコで作られた柄を持つとされる槍。
投げると狙いを外すことなく必ず命中するという魔力を持つ。
オーディンがスレイプニルを駆るということもあり、馬上でも使える大型の槍として表現されることが多い。
オーディンが槍を人間に貸したというエピソードもあり、(能力をすべて発揮できるかわからないが)人間にも扱えるものらしい。
「いつ空」では、グングニルが2本登場する。
1つは、オーディンが生まれながらに持っていた槍。「いつ空」独自のアイテムで、神話にはないもの。
後に空明市となる場所に突き立てられ、放置された槍。
オーディンも桜守姫の御前も『槍』といい、見た目も槍だが、策は解対で「『槍』ではない」と見抜いた。正体不明の魔具。
北欧神話に伝わるものと比べると、かなり小型の両手槍。全体が鉱物質または金属質の謎の素材でできている。中央の槍本体の周りを別のパーツが螺旋状に取り巻いていて、どう考えても投げたり振ったりするのに向かないデザイン。
名称以外は、神話のグングニルとはまったくの別物なので、この『槍』が関わる場面では神話は参考にならない。
もう1つは、オーディンが1本目のグングニルを手放した後、小人からもらった槍。こちらが、神話にある「グングニル」。
- スットゥング
別名『病める舌』。神話から大きく離れて、「いつ空」改変版になっている。
神話では、フィアラルから奪った蜜酒を独り占めしている巨人。
「いつ空」では、巨人に養子として育てられた人間の魔術師が、巨人に姿を変えたもの。
元オーディンの従者で、オーディンが使うルーンを見よう見まねで修得して使いこなす、とんでもない奴。
明日宿家の始祖。
主神オーディンにニセモノの蜜酒を掴ませ、本物を追ってきたオーディンの目の前で蜜酒を盛大にぶちまけて「人間の尊厳」を主張する。
目的のためには手段を選ばないところは、祖先譲りか。
全ルート共通
並行世界(異なる世界)
「異ならぬ世の終わりより」で、策たちがいた世界は「並行世界」と語られている。
策が通った3つのルートは、並行世界で同時に発生。並行世界の中で起きたことは、それぞれ独立している様子。
しかしオーディン側では、3つのルートで起きたことが、すべて発生。
「ふたみルート世界」でスコールが倒され、「此芽ルート世界」でハティが倒され、「傘ルート世界」でフィアラルが倒された結果、オーディンのいるところではラグナロク発動条件の3つともがなくなった。
「並行世界」はどこかで繋がっているらしい。
では、どこで繋がっていて、その境目は?
たぶん、人が住む世界「ミッドガルド」が並行世界になっていて、その外側の世界は1つに統合されている。
ちなみに、傘姉が倒したフィアラルは、神々の世界アースガルドと巨人の世界ヨトゥンヘイムの境目にいる。そんなところまで自力でたどり着く傘姉はやっぱりおかしい。
並行世界で起きたことが、どの時点でミッドガルドの外の世界に反映されるのかははっきりしない。
ただ、外の世界で起きたことは、ミッドガルドのすべての並行世界に影響している感じ。
時系列の不一致
「並行世界」では、それぞれの時間の進行は一致していない様子。
特にそれが良く現れているのが、吹雪の発生タイミング。
- ふたみルート
- 6月29日 昼。策と菊乃丸が対戦する時。
- 此芽ルート
- 6月28日 夜。此芽が桜の木の元で一度気を失った後、再び意識を取り戻した時。
- 傘ルート
- 6月28日 昼〜夕。傘姉に戦車を破壊され、雲戌亥家の者が殲滅された後。
狼が太陽に追いつくという、ミッドガルドの外の世界(統一されている“異ならぬ”世界)での出来事がきっかけの吹雪が、「並行世界」内では別々の日時で発生している。
外の世界で太陽に狼が追いついた時、それぞれの世界は違う日時だった。
ということは、それぞれの「並行世界」の中では時間の進行が異なっていると考えることができる。
蛙蟆龍
空明市の夜の空を覆う雲。
その雲は、100年ごとに行われる儀式によって生み出される。
蛙蟆龍になるのは雲戌亥家の娘。
その娘は生まれつき体が弱く、そのままでは生き続けることができない。
そこで、雲戌亥と血が繋がる巽家の者の命を餌として喰らわなければならない。
雲戌亥家はこの蛙蟆龍の儀式を1000年にも渡って行ってきた。
その目的は、ラグナロクを前にしてスコールに飲まれてしまう太陽にかわって、地上を照らす第2の太陽を作り出すため。
ふたみは最後の蛙蟆龍であり、第2の太陽となる役割を負っている。
そして、幼い頃に空明市に来た時に、餌の呪いを受けてふたみに命を喰われたのが策。
この蛙蟆龍の儀式を行うための言霊によって、空明市は結界に閉じ込められてしまっている。
蛙蟆龍は“雨竜”や“雨龍”とも書く。雨の恵みをもたらす龍。吉事の前兆をもたらし、幸運を呼ぶと信じたれている想像上の生物。後白河法皇が取り仕切った雨乞いの際、最後の舞姫であった静が賜った舞衣にも描かれていた。
策が受けた『餌の呪い』
- 餌の呪いとは
受けた者の「生きる権利」を奪い、蛙蟆龍となる娘に与える呪いらしい。
呪いを受けた者はすぐに死ぬわけではなく、死が訪れるのは数年後。
一方、蛙蟆龍となる娘は、餌が死ぬよりだいぶ早く回復してる印象。
- 蛙蟆龍となる娘の回復
「餌の呪い」は、蛙蟆龍となる娘を回復させることが目的というものではない様子。
“蛙蟆龍の儀式の一部として”、そもそも必要なもの。
少なくとも、最初の蛙蟆龍では回復の必要がなかったのに、「餌の呪い」を行っている。
おそらく、蛙蟆龍になるためには人の命を越えたエネルギー量が必要で、それを満たすために、巽の犠牲が求められているのだと思う。
蛙蟆龍となる娘の体が回復しているのは、蛙蟆龍のためのエネルギーを充填する“ついでに”、結果として回復に繋がっているだけ。
- 1回目の呪い
策は「餌の呪い」を2回受けている。
1回目は、まだ策が幼い頃、白爺さんと兄の刻と共に空明市に来た時に受けた。
策とふたみはこの時に一度会っている。
それまでまともに歩くこともできないくらいに身体が弱っていたふたみは、この時の「餌の呪い」で回復して、普通に動ける身体になる。
本来なら、策は空明市を出てから、数年後に死ぬはずだった。
ところが、空明市を出る最後の日に、此芽との待ち合わせ場所で「死を呼ぶ呪い」を受けてしまったことで、即座に「餌の呪いによる死」が発動。
そのまま死んでしまうところを、此芽の魔術「結婚式」で命の供給を受け、なんとか生き長らえることができた。
このあたりは、此芽ルートの「過去に起きた事件 死の呪いについて」を参照。
通常の蛙蟆龍なら、この1回で「餌の呪い」は終了。
- 2回目の呪い
最後の蛙蟆龍であるふたみに限り、2回目の「餌の呪い」が行われた。
2回目で得る力は、第2の太陽を生み出すために使われる。
雲戌亥家は2回目の餌とする者を巽家に求め、策が空明市にやって来た。
この2回目の呪いも、基本的には1回目と同じものだと思う。
つまり、蛙蟆龍へのエネルギー提供。
1回目の餌で蛙蟆龍となるためのエネルギーを得て、2回目の餌で第2の太陽となるためのエネルギーを得る。
1回目と2回目では命(生きる権利)の消耗速度が大きく違うけど、これはふたみに最愛の者の死を見せて精神を壊すために、速度を速めたのだと思う。
- 呪いの内容
呪いが具体的にどういうものかは、此芽ルートで説明がある。
6月28日、桜の木の元にたどり着いた此芽は、回想の中で呪いについて考えている。
この呪いは使用者がすでに己の命を捧げる事で縛られている。
外部からの干渉など、力の大小は関係なくその一切を受け付けない。
彼にかけられていた呪いに期限などない。
あれは彼の生命を喰らい尽くすまで機能し続ける。
あれは――恐らく、死ななければ終わらない。
生命力を奪うとか、人として与えられた一生の時間を削るとか、そういった類ではなく、死そのものが概念として渦巻いていた、
……その種の呪いだった。
つまり「餌の呪い」は、
・外部からの解除は不可能
・生命を喰らい尽くすまで続く(死ななければ終わらない)
・死そのものが与えられる(“何か”を奪うものではない)
という性質がある。ただし、桜守姫家は雲戌亥家の力について正確には把握していないようなので、これが正確ではない可能性もある。
- 呪いの発動とタイミング
「餌の呪い」をかけたのは、恐らく雲戌亥家当主の静。
具体的に作中のテキストには無かったと思うけど、蛙蟆龍に関連する一連の儀式が「言霊」といわれているので(静の力は言霊を操ること)。
しかし直接“力”を振るうものではなく、何らかの条件で自働起動するものの様子。それか、「餌の呪い」の仕掛けがすでにあり、力を流すだけで発動する。
直接言霊を使っているわけではないのは、静が若返らない事から。
ふたみルートのクライマックスで言霊の力を発動させた結果、静は若返っている。
1回目も2回目も若返っていないということは、直接操るものではなく、自働起動かすでにできている仕掛けを発動させるようなものな気がする。
まぁ、何度も何度も行ってきた上に、失敗は許されないものなので、確実に発動させる仕組みを作っていたのかもしれない。
1回目の発動タイミングは、正確な描写がないので省略。作中では、策が巽の家に帰る前日に、「餌の呪い」を受けている。
2回目の呪いの発動タイミングは、第1部で策がふたみと一緒に雲戌亥の屋敷を訪ねた時。
“巽の者が空明市に入ったとき”とも考えたけど、たぶんそれは条件の1つ。
雲戌亥の屋敷で、静は策に名前を聞いている。そして、「策」と聞いて驚愕している。
「そうかそうか。この街まで来るのも大変だったろうに、ようこの屋敷まで訪れてくれた。
坊ちゃん、名は何と?」
「策といいます」
「……策……?」
そこに、わずかな空白があった。
「……馬鹿な」
その小さな吐息には、確かに驚愕の色があった。
「あの……何か」
「……いや、てっきり刻が来ると思っておったでな。すまんの」
静は“誰が来るか”はわかってなかったが、“過去にふたみと会った兄弟の一人が来る”事はわかっていた。そして、その兄弟の名が「刻」と「策」だという事も知っている。
本来なら、策は1回目の「餌の呪い」で死んでいるはず。
だから「刻」という名が返ることを予想して、名前を聞いている。
つまりこれは「名前を知らなかったから尋ねた」のではなく、「名前を言わせるために尋ねた」のでは?
現実でもそうだけど、「いつ空」中では特に“名前”というものが重要なものとして表現されている。
空明市の結界は、“こうみょうし”=“合皿子”=“盒子”という名で縛られている。
ふたみルートでは、策が武器の“本当の銘”を識ることで、武器の能力まで変わっている。
此芽ルートでは、桜守姫家の者が魔術を使うときに、「骸を貪り喰らうもの」の真名を詠んでいる。
傘ルートでは、“蛙蟆龍”=“雨”に対抗するために、「傘」という名を受け継いでいる。
それほど重要な「名前」を聞き出すのなら、そこに何か重要な意味があってもおかしくない。
しかも、ふたみがいない場所で、ふたみに聞くわけでもなく、策本人に直接聞いている。
名を問われて返してしまったことで不幸が降りかかるというのは、伝承や昔話にもよくある話。
静の質問は「餌の呪い」を発動させるためのもの。
そして、名を返したこの時に呪いが発動したと考えられる。
- 発動と死の関係
呪いが発動してから、策が死ぬ(予定の日)まで、けっこうなタイムラグがある様子。
「呪いの発動は、命の搾取が始まるだけ」「搾取が完了するまでは死なない」という事も考えられるけど、
これだと此芽が気付いた呪いの内容と合わない。
「餌の呪い」は「死そのものを与える呪い」で、「生命力を奪うとか、人として与えられた一生の時間を削るとか、そういった類ではない」はず。
そもそも、「蛙蟆龍となる娘が力を得る」ことと「犠牲となった巽が死ぬ」ことは、直接の繋がりは無いのかもしれない。
「巽の犠牲」は、「餌」の言霊を発動させるための“条件”。
「餌」の言霊を発動させた結果、蛙蟆龍となる娘は、“言霊が生み出した力”を得る。
巽から蛙蟆龍に命が流れるのではなく、「巽の死」と「蛙蟆龍になるための力」は、どちらも別々発生した言霊の結果。
言霊が発動した時点で蛙蟆龍は必要なだけの力を手に入れているので、その後に巽がどうなっても蛙蟆龍の儀式には影響が無い。
ふたみルートでは、静「策の命をふたみが喰った」と言っている。
「そちは喰らったのだ……餌を」
「――ならばはっきりと言うてやろう、ふたみ。
そちが。
そちがあれを殺すのだ。
そちが生きているという事そのものがあれを殺す」
「あれはそちを生かすための餌として、ただそれだけの為にその生涯を終える」
しかし、このときの静は、意図的に“悪役を演じよう”としている。きっとこれは、ふたみの精神を壊すために、あえてそう言い方をしたのかもしれない。
この理屈が通ると、問題となるのは1つ。
「餌の呪い」が「命の供給ではない」とすると、ネットで多く見かける、「ふたみが死ぬことで策が助かる」というのが、必ずしも成り立たないということ。
ふたみが蛙蟆龍になることと、策が死ぬことは、互いに影響はしない。
策がどんな状態でも(例えば、6月28日の前に死んだとしても)、ふたみは蛙蟆龍になる。
それなら、ふたみがどんな状態でも、例え蛙蟆龍にならなくても、言霊によって決定付けられた結果として策は死ぬことになる。
- 呪いの終了・解除
「餌の呪い」を終わらせるにはどうすればいいか。
(2007/03/10 ふたみルートの矛盾を解決するために、一部修正)
此芽先生は、「餌の呪い」は「死ななければ終わらない」といっている。
そして、「外部からの干渉など、力の大小は関係なくその一切を受け付けない」ともいっている。
桜守姫家が雲戌亥の力を正確に把握していないとしても、あまり大きくは外れていないはず。
まず、外部からの解除は不可能。例え神であったとしても解けない。
おそらく直接解除できるのは、呪いをかけた本人である静だけ。
絡繰人形のコノパパが解除できたとは思えない。耐火の機能は、属性として炎を無力化するとある。“属性”という表現から、どちらかといえば受身なイメージ。絡繰人形自身が炎を受けても効かないだけで、他者が受ける雲戌亥の力を解けるものじゃない気がする。
傘姉なら、ルーンで無効化することはできたかもしれない。
『呪返』と『鎮火』のルーンは、たぶん「餌の呪い」には効かない。『呪返』は、自分が受けた場合に無効化するので、他者である策に使えるかどうか怪しい。『鎮火』も、絡繰人形と同じように、自分が受ける炎の力を無効にする物のだと思う。
でも、『死忘』で「死ぬ権利」を奪えば、結果として相殺されて無効化するかもしれない。ただ、『死忘』は“生ける権利を有する者”に使うもののようなので、すでに「生きる権利」を奪われている策に使えるのかは疑問が残る。
個人的には、ふたみルートの一番の魅せ場で静が「例え神であったとしても」といっている物が、そうぽこぽこ簡単に解けるとなると、激しく萎えてしまうというのもある。
ところが、此芽はこの呪いが終わる可能性を考えている。
此芽は、絡繰人形の耐火機能や傘姉のルーンのことは知らないはず。
そして、呪いの性質についても理解している。
此芽ルートの6月28日。此芽が桜の木の下で倒れているところで、策を想うシーンがある。ちょうど、呪いの性質を語る直前。
「ここまでしてあげたんだから、さく、ちゃんと生きなさいよ」
思わず、あの頃を思い出してそう口にする。
――でも本当に、これで彼は生きられたのだろうか。
胸にこみ上げる不安は、その事ばかりだ。
“ここまですれば、生きられる”かもしれない。
“これで彼は生きられたのか”が不安――ということは、“これで策が生きる”ということの裏返し。
もちろんこれは、死の間際に此芽が望んだ“希望”や“夢語り”、あるいはただ“自分を安心させているだけ”ということもできる。
しかし、
「餌の呪い」とは、かけられた者の「生きる権利」を奪う呪い。
呪いを受けるのは巽の者でなければならない。
呪いが発動した時点で、「生きる権利」が奪われることは確定する。
「生きる権利」が奪われれば、呪いは終わる。
それなら、この呪いによって奪われたのが、此芽の「生きる権利」だったとすれば――
「結婚式」の術によって、策と此芽は2つの命=「生きる権利」を共有している。
共有しているのなら、入れ替わることができてもおかしくない。
そもそも、本編中の策の命は、策のものなのか此芽のものなのか。
「結婚式」によって渡された此芽の「生きる権利」は、策によって“巽”という性質に変換されて、呪いに渡された。
その結果此芽は死に、呪いは終わる。
2つあった「生きる権利」から1つが奪われ、1つが策に残るのなら、策は助かるかもしれない。
ただ、此芽ルートでは此芽はまったく気づいた様子がなかったが、策には「餌の呪い」が2つかけられている。
そして、第2部突入時点では2つとも有効。(此芽ルート「過去に起きた事件 死の呪いについて」参照)
1つの「生きる権利」が奪われただけでは、あと1つ残ってしまう。
呪いが全て終了するのに必要な「生きる権利」は2つ。
命が繋がっている、策・ふたみ・此芽のうちから二人が死ななければならない。
ふたみルートでは……まず此芽が死に、策もその後すぐに死んだ。残ったふたみは蛙蟆龍となった。メメの「意炎」でゾンビ化して復活した策だが、一度死んだ事には違いない。
此芽ルートでは……明日宿家(傘姉)の襲撃でふたみが死に、桜の元で此芽が死ぬ。生き残った策は、死んだ直後の此芽に「逆式魔槍」を使い、死を生に転換した。(「逆式魔槍とは?」)
傘ルートでは……桜の元で此芽が死に、ふたみは傘姉に殺される。策は、呪いの事も、誰のおかげで助かったのかも知らない。
結果として、此芽ルートと傘ルートでは策は生き残る。
作中、此芽は「あたしが死んだら、彼もまた死んでしまう」といっているところがあるけど、あれは“呪い以外の原因で”死んではいけないということ……かもしれない。呪いによって「生きる権利」が奪われることで、ようやく呪いは終了する。何者かに殺されたのでは、呪いは終了しない。とか。
つじつま合わせ。
しかしそうすると、ふたみが傘姉に殺された場合も呪いが消えないことになる。
空明市の結界
有識結果とも呼ばれ、対象(雲戌亥家に関すること)を分析・認識することをできなくしてしまう結界。「空明市」=「こうみょうし」=「合皿子」=「盒子」(茶菓子などを入れるときに使う、蓋付きの容器)という言葉にかけて作られている。
その効果は2つ。
- 『贋』
3つの領域で効果があるらしい。
第一領域:空明市内で起きる矛盾を考えられなくして、自動的に修正する効果。空明市に対する疑問を、疑問として感じなくなる。
第二領域:空明市に対して出入りする意思を打ち消す効果。中から外、外からも中も見えず、境界に近づくと元の道を帰ろうと思ってしまう。
第三領域:雲戌亥家そのものに対する“真実”を見えなくする効果。だと思う。作中に正確な記述はない。
- 『獄』
空明市から出ることを、物理的に遮断する効果。無理に出ようとすると、炎で跡形もなく焼き尽くされる。
雲戌亥家の者は、『贋』も『獄』も効かない。
桜守姫家の者は、『贋』は効かないが、『獄』は有効。そして、自分の力を誇示しようとする者が『獄』に挑んで、毎回失敗して死んでいる。桜守姫の御前は、無駄だから止めろといってるらしい。
巽家の者は、『贋』を突破する素質を持っている。ただし、実際に突破できるかは、本人の能力次第。突破できたとしても、第二領域まで。
異能を持たない一般人でも、雲戌亥家の者から「有識外し」を受ければ、『贋』『獄』両方とも突破可能。雲戌亥家“信者”のなかには、「有識外し」を受けて空明市の外との連絡・物流を行う者もいるらしい。
また、雲戌亥家の者が同行していれば、『獄』を通ることもできる様子。
策は、
ふたみルートでは、メメの異能『意炎』で「有識外し」を受けている。
此芽ルートでは、自力で『贋』の第二領域まで突破した。
傘ルートでは、有識結界のことは、ほとんど何も知らない様子。
此芽ルートで、策はふたみと一緒に『贋』も『獄』も通り抜けているが、無理に通ったら『獄』に焼かれるといっている。
その後、此芽が策を逃がそうと空明市の境界付近まで来ているが、この時の(ふたみが一緒にいない)策に『獄』が突破できたかは不明。此芽は、策から一度通ったことを聞いて、策も自由に通れるものだと思ったのかもしれない。
ふたみルート
策の生命 変動チャート(ふたみルート)
餌の呪いを受けている策は、シナリオ後半で体調が変動しまくる。
その変動の流れを、イベントと照らし合わせて考えてみた。
此芽ルートで、魔力=生命力と言うことなので、戦闘中に異能「解対」を使うと、それだけ命を消耗すると推測。ふたみルートで、体調が急激に変動するのは、たぶんこれが理由。
【命ゲージ】
4:衰弱状態
3:強衰弱
2:危険ライン
1:瀕死状態
【基本変動量】
ふたみ :毎日 朝に+1,2日に1回 追加で朝に+1(合計+2)
此芽 :毎日 朝に-1
策 :2日に1回 朝に-1(毎日-1なのだが、此芽からの供給で一部相殺される)
- 6月24日
(朝)
★★★★★☆☆☆☆☆ 蛙蟆龍:発動可能。
★★★★★★★★★★ ふたみ:変化なし。この後ふたみ自身の分は変化しない。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:餌の呪いで減少中。
▼▼▼▼▼▼▼▽▽▽ 此芽:変化なし。
(夜)巽の屋敷に菊乃丸の襲撃があり、策が応戦。その後倒れる。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:解対発動で減少-1。衰弱状態。
- 6月25日
(朝)策、メメに看病されて意識が戻る。
★★★★★★★☆☆☆ 蛙蟆龍:通常増加+2。
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇ 策:通常減少-1。強衰弱。
▼▼▼▼▼▼▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。
- 6月26日
(朝)策、メメに看病されて意識が戻る。がん…
★★★★★★★★☆☆ 蛙蟆龍:通常増加+1。
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇ 策:変化なし。強衰弱。
▼▼▼▼▼▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。
- 6月27日
(朝)
★★★★★★★★★★ 蛙蟆龍:通常増加+2。太陽モード充填完了。
◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇ 策:通常減少-1。危険ライン。作中の描写なし。
▼▼▼▼▽▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。衰弱状態。
- 6月28日
(朝)策の体調が回復。
★★★★★★★★★★★ 蛙蟆龍:通常増加+1。お釣り発生中。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:此芽から追加供給を受けて+2。衰弱状態だが、回復した事で負担が軽減。
▼▽▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:策の危険ラインに気付いて、追加供給。通常減少と追加供給で-3。瀕死状態。
(昼)策、雲戌亥家で茂一と対峙。
★★★★★★★★★★★ 蛙蟆龍:変化なし。お釣り発生中。
◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇ 策:解対を戦闘で使って減少-2? 危険ライン。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:体が持たなくて死亡。
(夜)ふたみの蛙蟆龍発動。
★★★★★★☆☆☆☆ 蛙蟆龍:雲化して-5。
◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 策:減少-1? 瀕死状態。
一定ラインを下回ると減少が加速説。
- 6月29日
(朝)策、ゾンビ化して復活。
★★★★★★☆☆☆☆ 蛙蟆龍:変化なし。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 策:通常減少-1。しかし「意炎」でゾンビ状態。
(昼)ふたみ、太陽化。
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 蛙蟆龍:太陽化で-5。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 策:もはやいくら解対しても減らない最強ゾンビ状態で暴れる。
(空)
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 蛙蟆龍:変化なし。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 策:狼殺し。
此芽と傘姉はどうなったのか?
- 此芽
策に供給し続けた命が尽きて死亡しているはず。
エピローグで、桜守姫の御前は姿を消している。たぶん、ラグナロク開始の合図を知って、血の回収が間に合わなかったので、あきらめて元の世界(ニザヴェリール?)に戻ったんだと思う。
- 傘姉
策がふたみを選んだので、何もせず傍観。
明日宿家自体は、どこかで“人間の尊厳を護るため”の活動を続けていると思う。
傘姉は、「傘」の名を持つ限りは、「雨=蛙蟆龍」の様子を、監視という名目で見守るために、空明市に残っているかもしれない。
餌の呪いは? なぜ策は最後まで生きているのか?
メメの『意炎』で動けているとはいえ、一度死んでいるので、その時点で「餌の呪い」は終了。
ただ、その後どの時点で生き返ったかは不明。
策が太陽になったふたみと会ったとき、ふたみは、
今ならアナタを……押し付けられた役目から解放する事ができる。
私にはもう供給は必要ないんだ。条件はすべて出揃った。
今この時、アナタが生きているのなら、もうこれ以上何かが失われる事はない
と言っているものの、この直後に策によって「嘘だ」と否定されている。
その後で、
アナタは死なせない。死なせるもんか
と言っているが、すぐ後に
大丈夫。上手くいく。
願いはきっと叶うんだって、そう教えてくれたのはアナタだから。
と言っているので、何か具体的な事をしたわけではなさそう。
都合よく考えるなら、
解対で剣になることができるなら、解対で“生きた人間”になることも、できるのかもしれない。
あとは、オーディンが「借りを返した」結果、とか。
こっちは本当に“神頼み”なので、ちょっと納得いかない気はするけど。
ラグナロクについて
太陽を呑み込もうとしていたスコールを、『狼殺し』になった策が倒したので、「ラグナロク」は発生しなくなった。
「ラグナロク」停止の条件ははっきりしていないものの、とにかく「開始の合図」を止めればよさそうな感じ。
で、一番最初のスコールを倒したので、その先が続かなくなった。のかも。
北欧神話に照らし合わせてみると、太陽と月が失われることで世界中の封印が解けたことが、ロキやフェンリルを解き放ってラグナロク開戦の大きな原因になっている。なので、太陽が守られれば、封印は解けず、ラグナロクも始まらないはず。
「意炎」の力
メメは、「意炎」は「対象に直接情報を送り込むことのできる能力」であり、「それは炎にまつわる」といっている。そして、「送り込まれた情報は負の心象を伴って、対象を侵食する」。
しかし、これは少し勘違いが含まれているように思える。それか、メメが「意炎」を意図的に使うのは、そういう効果を狙った時だけだったのかもしれない。
おそらく「意炎」は、必ずしも「負の心象」を伴うものではない。
「炎にまつわる情報を直接送り込む」ことができるが、どのようなイメージになるかは使い手次第。
それは、「意炎」を受けた策が、「メメの炎は心を焦がす炎」といっていることから。
ふたみルートで、策が「意炎」を受けたのは2回。空明の里で、雲戌亥家の歴史を見せられたときと、死んだあとゾンビ状態で復活したとき。このうち、雲戌亥家の歴史を見たときは負のイメージを伴って発動している。
では、ゾンビ化したときは何を見たのか。
何も見ていないという可能性は低い。
メメの回想中には「能力の使用中に相手が死んでしまったら」、相手の脳を生かし続けようとしてゾンビ化するとある。
とすると、死んだ後のイメージはまだ伝わっていなくても、能力の使用を開始したあたりのイメージは伝わっていると考えられる。
少し前の回想でも、メメは「策は何を見抜いたのか」と考えている。策が「意炎」から“何か”を見抜いたのなら、“何か”は見えたはず。
見えたのは、おそらく“メメの策を想う気持ち”。叶う事はないと知りつつも好きになってしまった“初恋の心”。
メメは、気持ちを抑えきれずに「意炎」を通して告白してしまったことになる。
策が巽の屋敷でメメと交わした、別れ際の会話は、きっとこういう内容。(斜体部分が追加コメント)
「じゃあな」
「まっ……待って! 待ってよ!」
「俺を止める理由があるのか?」
「……あるよ (だって、好きになった人だから。“死”しかないとわかって行くのを、黙って見送るなんてできない(残りわずかな時間、少しでも愛を見て欲しい))」
「俺を止める事が出来るのか?」
「えっ」
「脅しは効かないよ、メメ。
メメの炎は心を焦がす炎(相手の心を焼き壊す炎、であるとともに、燃えるように焦がれる恋心)だ。それがお前の能力なんだろう?」
「……(「意炎」の能力に、「愛の気持ち」に)気付いてたの?」
「自分を生き長らえさせてくれた(メメの策に対する「愛する人を助けたい」という)理由も考えられないようじゃ、ふたみを助けに行く(策が愛する人を助けに行くという)資格すら得られないさ」
「…………」
「けど、今の俺の心は焦がせない(メメの気持ちには応えられない)よ、メメ――もっと熱いもの(ふたみを愛する気持ち)で燃えている」
「…………」
「同じもの(愛するという気持ち、何も省みずに愛する人を助けたいという気持ち)の在り処を、俺は知ってる」
拳で、こん、と。
メメの胸を叩いた。
メメは「本人はフッた自覚、まるでないんだろうなぁ」といっているが、きっと策は自覚している。メメの気持ちを知った上で、“それには応えられない”と、「妾」よりも「ヨメ」を選んだ。
好きになった人以外はどうなってもいいかのように振舞うことが多い策だけど、ここは男を見せたかもしれない。
「北谷菜切」の読みは?
文字で書くなら、「チャタンナーチラー」または「チャタンナーチリー」が近い。
琉球の言葉。
「北谷菜切」の伝説で語られる「北谷村」は「チャタンソン」。ちゃんと、MS-IME97では「ちゃたん」→「北谷」の変換ができる。
策の解対が視ていた物とは?
エピローグで、メメは策にこういうことを言う。
策は、“届く”って、ただそれだけの確信で本当に天へと昇っていった。それで気づいたの。
あなたが解対で見ていたのは、“武器”じゃなかったんだね
あなたが視ていたのは――
“言いたいことははっきり言え”と。
ひとまず、策が解対を発揮したと思えるシーンをピックアップ。
- 菊乃丸の刀『村正』に触れたとき
- 茂一の矛『伽藍』に触れたとき
- 茂一との戦闘中に『北谷菜切』を使ったとき
――お前、この刀の銘を知ってるか?
村正? 徳川を祟る刀?
――違うね。この刀の名前はな、『北谷菜切』だ
……この刀はな、思い出したんだよ。俺が知ってしまったから
村正という銘の“祟りを押し付けられただけの刀”だと思い込まされていたのに、“自分は本物の咒いの刀”だと思い出してしまった。
嘘は暴かれた。
こいつはもう、『北谷菜切』なんだ
- 静との戦いで『雷切』を使ったとき
――使い方を知ってさえいれば、
伝説はすぐにでも事実になるんだぜ
- 太陽になったふたみの所まで昇っていったとき
策は、“届く”って、ただそれだけの確信で本当に天へと昇っていった。
- スコールの所まで昇っていったとき
『狼殺し』になったとき(2007/08 c72発売のVFBに、直接的な解対能力ではないと載っている)
- 子供の頃、此芽を殺そうとしたふたみママが持っていた武器を見たとき
- 桜守姫の屋敷で『グングニル』に近づいたとき
- 絡繰人形に『手裏剣』を投げられたとき
- 桜の元で『グングニル』に触れたとき
- 『逆式魔槍』を使ったとき
- 此芽といっしょに『グングニル』を使ったとき(?)
- 此芽が『神々の残されたもの』の真名を使ったとき
真名が解対され『神々の残されたもの』が開かれたこの槍が、今どれほど神器としての活性を果たしていたか。
- 雲戌亥の屋敷で、蔵を封じていた鎖に触れたとき
- 戦車に触れたとき
- 菊乃丸に手を刺されたとき
直接武器に絡んでいないものが3つ。
このうち、
ふたみのところまで昇っていったのは、メメが解対だといっている。
『神々の残されたもの』も、真名が解体されたとある。
策の解対が「想い」を視るものだとすると、たいていの項目は解決しそう。
武器に込められた「想い」。天にまで届くという「想い」。自分は狼を殺す武器だという「想い」。
しかし、「想い」を実現化させるのが能力だとすると、あまりに万能で強力すぎる気がする。
「想い」を実現化する能力なら、子供の頃からの「巽の者としての才能があるはず」という「想い」も実現しているはず、という意見もある。
それに、「真名」も解体されている。
真名は“それ”が“そういう存在である”と表すもの。「骸を貪り喰らうもの」の力の性質を示しているだけ。「想い」という程のものがあるとは考えにくい。
策が視ていたのは「名前」かもしれない。
「名前」を解対して、それが指し示す効果を発揮する力。
それなら、『村正』が『北谷菜切』に銘を変えたとたんに、まるで別物の刀のようになったのもわかる。
『雷切』という銘を識ることで、伝説を事実にしたのかもしれない。
自分の名が『狼殺し』なら、狼ならどんなものでも倒せるだろう。
残る問題はあと2つ。
ふたみの所にまで昇れた理由。
策は“届く”という確信があった。その確信は、解対した結果、得られたもの。
ふたみの名は「二見」でもある。
“ふたたび見える”という名を持つ彼女になら、きっと届くに違いない。
スコールの所にまで昇れた理由。
……えーと。
コジツケになります。
スコールは、「異ならぬ世の終わりより」にもあるように“嘲るもの”という意味がありますが、
北欧神話では他にも“密着するもの”という意味もあるようです。
まー、とりあえず、外してはないかな、と。
で、空明市に帰ってきた『狼殺し』の策は、『巽二見』を聞いて人間に復活。とか。
考えれば考えるほど、ぐだぐだになっていくような気がする。
中断。
メメが最後に裁きの炎で焼かれなかったのは?
裁きの炎で焼かれるのは、蛙蟆龍の言霊をなした雲戌亥。
一度は静に任を解かれたものの、再び雲戌亥宗家に戻ってきた者は炎に焼かれた。
でもメメは、任を解かれた後どころか解かれる前から、雲戌亥宗家よりふたみという立場。
裁きの炎が燃え上がったとき、すでに雲戌亥から外れていたメメは、焼かれることもなく無事だった。
なぜ雲戌亥の者は大地が干上がるほどに焼いたのか?
人々を虐殺していた桜守姫の御前を、炎を操る力を得た「戌亥」は“力”で打倒して里を救った。
しかしその後、力を得た「戌亥」は、その支配をかざすように、業火をもって多くの人々を焼く。
大地が干上がるほどに焼き、立ち昇る煙はやがて雲を生む。
そうして降り出した雨によって劫火は消えるも、その雨が止む頃には新たな炎が立ち昇っている……消え去ることもなく空を席巻し続けるは、雲。
この地の支配者は雲。
暴君は戌亥にあり。
故、その名を『雲戌亥』という。
作中で、『雲戌亥』の起こりはこのように語られる。
しかし、ふたみルートを終わらせてみると、この言い伝えには違和感がある。
命懸けで空明市を守り続けてきた“王者”が、権力を示すために人を犠牲にするとは思えない。
仮に、力を誇示することに捕らわれた者がいたとしても、当主であった静が許さなかったはず。
それほどにまで人を焼き続けた理由。
おそらく、蛙蟆龍を生み出す方法を模索していたのではないだろうか。
ラグナロクを乗り越えるため第二の太陽を作ることを思いついた。
そのために星の光を集める必要がある。
星の光を集めるの役目は蛙蟆龍に負わせよう。
そこまではたどり着いたが、蛙蟆龍を生み出す方法が分からなかった。
そのため、さまざまな方法で「雲」を生み出そうとした。それは、雲を消そうとする「照陽菜」の逆。
言い伝えにあるように、人を焼いたこともあったかもしれない。
その結果“炎の恐怖によって支配した”と言われるようになったが、きっと『雲戌亥』の者たちは、それを“自分たちが犯した罪”と、否定することなく受け入れたのだと思う。
此芽ルート
策の生命 変動チャート(此芽ルート)
餌の呪いを受けている策は、シナリオ後半で体調が変動しまくる。
その変動の流れを、イベントと照らし合わせて考えてみた。
此芽は「結婚式」の魔術で常に命が減少。そして、此芽自身の魔術なので、供給量は自分でコントロールできると推測。
此芽シナリオでは、ふたみは直接影響しないので省略。
コメントに妄想入りまくりなのはキニシナイ。
【命ゲージ】
4:衰弱状態
3:強衰弱
2:危険ライン
1:瀕死状態
【基本変動量】
此芽 :毎日 朝に-1
策 :2日に1回 朝に-1(毎日-1なのだが、此芽からの供給で一部相殺される)
- 6月24日
(朝)
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:餌の呪いで減少中。
▼▼▼▼▼▼▽▽▽▽ 此芽:変化なし。すでにかなり減っている。
- 6月25日
(朝)策、体調不良。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:通常減少-1。衰弱状態。
▼▼▼▼▼▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。
(昼〜夕)みどのの襲撃。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:異能は使っていないのでゲージは減らないが、衰弱状態+疲労。
▼▼▼▼▼▽▽▽▽▽ 此芽:変化なし。
- 6月26日
(朝)此芽の看病。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:此芽の追加供給で+1。通常の疲労状態のみ。
▼▼▼▼▽▽▽▽▽▽ 此芽:徹夜で看病。通常減少-1。衰弱状態。
此芽が極度に疲労していたのは、徹夜だったことだけでなく、命の供給で衰弱状態になったため。
- 6月27日
(朝)みどの、体育倉庫で此芽を吊るす。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:通常減少-1。再び衰弱状態。
▼▼▼▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。強衰弱。
みどのに対する反応が鈍いのは強衰弱のため。
(昼過ぎ)策、コノパパと遭遇。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:追加供給を受けて回復。
▼▼▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:減少-1。危険ライン。
他ルートと合わせて考えると、此芽の命が一定ラインを下回ると、策への供給ペースが速まる様子。
あえて理由を考えるなら、此芽に死が近づいたことで、此芽自身の命を繋ぎ止めておく力が弱まり、間接的に策の吸収力の方が強くなったのかもしれない。
- 6月28日
(朝〜昼)策、桜守姫の御前と対峙。此芽、瀕死状態で桜の元へ向かう。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:変化なし。
▼▽▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。瀕死状態。
桜の元にたどり着いた此芽は、しばらく意識を失う。
策は「結婚式」の記憶を思い出し、「結婚式」の術が不安定になる。
(夜)此芽、策への命の供給が途切れたことに気づく。御前の言葉に乗ってしまい、魔術を使おうとする。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:変化なし。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:体が持たなかった&魔術の余波で-1。
此芽から策への命の供給が途切れたのは、策が「結婚式」の出来事を思い出したことで、術が解かれたから。
↓
直後に逆式魔槍。此芽復活。
過去に起きた事件 死の呪いについて
此芽との待ち合わせ場所で、策は「“死”に至る結果だけを早める魔具」の攻撃を受ける。
すでに「餌の呪い」を受けていた策は、数年後の「餌の呪による死」が確定済み。
その結果を早められてしまい、いきなり瀕死状態。
直後に、此芽の「結婚式」が発動して、策は生き長らえる。
このとき受けた「餌の呪い」は、どういう状態になったのか。
私は、そのまま持続中だと思います。
呪いは終わっていないまま、本編に突入。
まず、過去の時点で策は死んでいない。
もし死んでいたとすれば、いくら此芽でもどうすることもできなかったはず。
此芽エピローグにも、「死んだものを生き返らせることはできない」とある。
なので、「結婚式」の術は策が死んでしまう直前に発動して、策が死ぬのを防いだのだと思う。
そして、「餌の呪い」は「死ななければ終わらない」。
「餌の呪い」の内容が「策が受けた『餌の呪い』」で考えたものだとすると、「餌の呪い」は命を吸収するようなものではない。
例え消耗した命の量が人間一人分以上になったとしても、「呪いを受けたものが死ぬ」という条件が満たされない限りずっと続く。
ふたみと傘姉はどうなったのか?
- ふたみ
策(巽)がふたみ(蛙蟆龍)を選ばなかったので、傘姉(明日宿)の襲撃を受けて、雲戌亥家全滅でふたみも殺されているはず。
「餌の呪い」の性質が「策が受けた『餌の呪い』」に書いたものなら、ふたみはすでに蛙蟆龍・太陽化するだけの力を得ている。明日宿がそのまま放置するとは思えない。
- 傘姉
雲戌亥家側の展開が傘姉ルートの通りなら、ふたみを殺した後に自害。止める人もいないし。
餌の呪いは? なぜ策は最後まで生きているのか?
「餌の呪い」の性質が「策が受けた『餌の呪い』」に書いたものなら、此芽が死んだことで共有されていた2つの「生きる権利」のうちの1つが失われた。残る1つはふたみの死亡で解消。
結果として呪いは終了。策はそのまま生き続けることができるようになった。
この時点で、此芽は完全に死亡状態。
そして、死んでいたからこそ、「逆式魔槍」の死→生転換で復活できたのかもしれない。(「逆式魔槍とは?」)
ラグナロクについて
ラグナロク停止の状況は、ふたみルートとほとんど同じ。
月を切り裂こうとしていたハティを、「グングニル」で御前を倒すついでに倒したので、「ラグナロク」は発生しなくなった。ハティ弱すぎ。テキストも1行しかないし。きっとハティなら、傘ルートであっさり倒された静の気持ちが分かるはず。
北欧神話に照らし合わせてみた場合もふたみルートと同じ。
太陽か月のどちらかが守られれば、ロキやフェンリルなど封印は解けないので、ラグナロクも始まらない。たぶん。
逆式魔槍とは?
まず、「北欧神話」で書いたように、此芽ルートに出てくる「グングニル」は、北欧神話のものとは別物。
「いつ空」独自のものなので、その性能は「いつ空」の範囲内でしかわからない。
- 効果・性能
『逆式魔槍』という名から、これはたぶん「何かを逆転させる効果」がある魔具。
その逆転させるものが何かというと、「命」ではないだろうか。
此芽ルートエピローグで、死んだものを生き返らせることは「この世の法則を逆しまに辿る行為」とある。
死体に突き刺した「グングニル」は、吸収されて死体を生き返らせた。
オーディンがルーンを得る部分では、
――私は天と地とを逆さまに磔となり、世界を逆から見渡した。
生きているこの世界を、生きているものたちを、逆しまに凝視したのだ。
反転する世界は、生と死の転換。
この後に、「グングニル」で自らを串刺しにしている。
逆式魔槍の効果は、生と死の転換かもしれない。
生きているものに刺せばそれは死ぬが、死んでいるものに刺せば生き返らせる。
オーディンは、世界を逆しまに凝視することで生と死を転換(この時点で「死」)した後に、「グングニル」を刺して(死→生の転換)生き返った。
たぶん、此芽に直接突き刺しても生き返ったかもしれない。
でもそれは、策の心情的にも描写的にも抵抗がある。*3
そこで、解対で「槍の力」を使いこなせるようになった策が、まだわずかに繋がっていた命の繋がりを通じて、此芽に「槍の力」を送り込んだのだと思う。
- 『槍』ではない
策は「グングニル」を見て『槍』じゃない、と見抜いている。
これは『槍』なんかじゃない!!
これは。
この槍の形をした物体は――――
“いいたい事は最後まではっきり言え”といいたくなりますが……。
とりあえず、「グングニル」は「槍」じゃない。
ふたみルートで、槍とは柄に穂先を刺したもので突き刺すための武器という解説がある。
カットインで出てくる「グングニル」は、その槍の解説とは少しずれてる感じがする。
穂先と柄が一体化しているし、柄を取り巻くような螺旋状の装飾があって突き刺すのにも振り回すのにも邪魔になりそう。それに、槍にしては、柄にたいして穂先が大きい気がする。
槍のような形で槍ではないもの。そして、カットインの「グングニル」の形に近いもの。
これはもしかして、“馬鹿デカイ矢”なのでは。
この「グングニル」は、オーディンが生まれたときにはすでに存在していた。
オーディンが生まれる前の世界は巨人の世界。巨人が使っていた矢なら、人間のサイズでみると槍に思えるかもしれない。
それに「矢」なら、策が此芽と一緒に御前に向かって放ったような、「射撃武器としての効果」を解対で発動してもおかしくないはず。
「槍」だと“投擲”なので放物線を描いて飛ぶ感じがする。上空に向かって一直線に飛翔するようなイメージは沸きにくい。(実際には、矢も放物線で飛ぶわけですが)
ただ、「逆式魔槍」のような効果を持つ、神話・伝説上の矢があったかを探してみましたが、当てはまるものは見つかりませんでした。
本当に完全な独自設定なのかも?
(ネタ考察)
神話・伝説上で似た効果のある矢は見つからなかったものの、どこかで似たようなものを見た気がする。
たしか、突き刺すことで瀕死だった者(死んではいなかったけど)を蘇らせたこともあったはず。
そして突き刺された者は、桜守姫家の者のように、特別な名を持つ力を身に付けた。
もしかすると、この『矢』は、ジョジy――
すでに力を得ている此芽は、さらに『矢』を受けたことでツァウベル ワルキューレ レクイエm――
御前の正体
作中では名前が出てこないが、彼はおそらくガンダールヴ。*4
ガンダールヴは、北欧神話で“魔法の心得のある妖精”という意味の名前。
傘ルート
策の生命 変動チャート(傘ルート)
餌の呪いを受けている策は、シナリオ後半で体調が変動しまくる。
その変動の流れを、イベントと照らし合わせて追ってみた。
傘ルート最大の謎は6月27日。それまで何のイベントもないのに、いきなり策が回復する。理由ははっきり言ってワカリマセン。
そもそも、本編中でも日付がずれている。
24日の夜に透舞神社から帰って来るところまでは健康。
そこから「三日間も寝たきりに近い状態」が続いていたはずのに、2日あけた27日には動き回っている。
【命ゲージ】
4:衰弱状態
3:強衰弱
2:危険ライン
1:瀕死状態
【基本変動量】
此芽 :毎日 朝に-1
策 :2日に1回 朝に-1(毎日-1なのだが、此芽からの供給で一部相殺される)
- 6月24日
(朝)策:傘姉を捜す。透舞神社を見つける。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:餌の呪いで減少中。
▼▼▼▼▼▼▼▽▽▽ 此芽:変化なし。
- 6月25日
(朝)策、衰弱して起き上がることができない。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:通常減少-1。衰弱状態。
▼▼▼▼▼▼▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。
- 6月26日
(朝)策、衰弱して起き上がることができない。
◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇ 策:変化なし。衰弱状態。
▼▼▼▼▼▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。
- 6月27日
(昼過ぎ)策、動けるようになる。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:(?)通常減少-1。此芽の追加供給+2。合計+1。
▼▼▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:(?)通常減少-1。策の衰弱を感じて追加供給-2。危険ライン。
つじつま合わせ。謎の1日。
- 6月28日
(朝)策、公園で当身を受ける。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:変化なし。
▼▽▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:通常減少-1。瀕死状態。
一定ラインを下回ると減少が加速説。
(昼)傘、雲戌亥家襲撃。
◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇ 策:変化なし。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽ 此芽:体が持たなくて死亡。
此芽はどうなったのか?
- 此芽
ふたみルートと同じように、策に供給し続けた命が尽きて死亡しているはず。
桜守姫家がどうなったかはわかりませんが、これもふたみルートと同じで、御前がいなくなってまとまりのない集団になってると思う。
餌の呪いは? なぜ策は最後まで生きているのか?
此芽ルートと同じで、此芽とふたみが死んだことで「生きる権利」が失われて、呪いが終了。(「策が受けた『餌の呪い』」が成り立つことが前提)
ただし、傘姉ルートでは此芽は復活しない。
ラグナロクについて
傘姉がミッドガルドを飛び出して、ラグナロクの開始を告げる3匹の雄鶏のうち、最初に鳴くフィアラルを倒したのでラグナロクも始まらなくなった。
唯一、ラグナロクを止めることを意図して行動しているのが、少し違うところ。
ちなみに、北欧神話に照らし合わせると、これではラグナロクは止まらない。
というのは、フィアラルが鳴く頃には、すでにロキやフェンリルはアースガルドに向けて進攻を始めているから。鳴かなくてもアースガルドは攻撃を受け、神々と魔物との最終戦争が始まる。
ふたみはどうなったのか? “てる”に紹介したい人とは?
長らく意見が割れまくっていた「“てる”に紹介したい人」の正体ですが、2007年8月開催のコミックマーケット72で販売された「『いつか、届く、あの空に。』ビジュアルファンブック」(Lump of Sugar2007サマーグッズセット)内に、Lump of Sugarの公式設定が掲載されました。
「“てる”に紹介したい人」とは、ふたみのこと。また、傘ルートではメメも死んではいない。
メメが殺されなかったのは、「雲戌亥」ではなく「ふたみ」に従う人間だったため、排除する対象ではなくなっていたから。
(「いつか、届く、あの空に。」ビジュアルファンブック P.110 より)
発売後からずっと続いていた疑問が、ようやく決着。
以下は、この決着がつくまでにユーザーによって推測された説を残します。
(“ネタ”として載せていた「異なる世界説」は、謎に決着がついたので削除しました。)
- ふたみ生存説
ふたみ生存説の根拠になっているのは、傘ルートエピローグのテキスト。
それから彼はこう言った。
私はどうしてここにいるのか、そう俺に尋ねた少女だって。
わからないよ、って、その時は答えたんだって。
ごめん、って、言ったって。
どうして謝るのか、と訊かなかった――少女だって。
それから。
よくがんばったな、と――俺にそう言ってくれた、少女、だって。
作中で一人称が「私」なのは、ふたみだけ。
「よくがんばったな」は、ふたみが策と別れる時に言った「がんばれ」に対応するもの。
ということから、この「少女」は「ふたみ」だといえる。
という考え方。
- ふたみ死亡説
ふたみ死亡説の大きな理由は、「ふたみが生きていてはつじつまが合わない」というもの。
ふたみが生きているのなら、「餌の呪い」は残っているはず。そして、傘ルートでは此芽は死んでいる。それなら、策は死んでしまうはず。しかし、エピローグで策は普通に生きていているので、ふたみが生きているのはおかしい。
蛙蟆龍を阻止するために動いていた明日宿家が、蛙蟆龍であるふたみを生かしたまま放置するのはおかしい。
テキスト中に、ふたみを殺したとある。
「少女」がふたみだとすると、策はふたみを一族皆殺しにした張本人に会わせようとしていることになる。それは、ふたみにとって残酷じゃないか?
このことから、ふたみは殺されている。
では、「“てる”に会わせたい少女」は誰か。
それは、エピローグ中でふたみを殺す時に割った手鏡が直っていくシーンから、「手鏡にうつった、明日宿家当主ではない、ただの少女になった“てる”」。
という考え方。
- 策発狂説
下のは2chの作品別板「『いつか、届く、あの空に。』 卵8個目」スレのカキコ。
796 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 08:43:20 ID:/L8Igoz50
傘ルートエピローグは、
ほんの少し前まで一緒に過ごしていた人たちを惨殺され、
それどころか、その一族関係者を皆殺しにするところを目にし、
ほんのすぐ目の前で壮絶な殺し合いが展開され、
人間の肉体がばらばらに吹き飛ぶところや、
狭い空間で目の前の人間の首が飛ぶところを見てしまい、
そして、その中心人物が自分の好きになった人だった、という策が、
気が狂ってもはや正常ではない精神でみた妄想。
空明市に帰ってきた傘が、「会わせたい人がいる」といって策に会わされたのは、
あの襲撃があった雲戌亥家から策が運んできた、
ふたみやメメの腐敗して一部白骨化しかけている死体。
「ほら・・・てる。ふたみはね・・・『がんばったな』って言ってくれたんだ・・・。
言葉選びが上手くないから、直接は言ってくれないんだけど・・・でも、俺にはわかるんだ・・・。
ああ・・・そうだ、てるなら・・・わかるよね・・・?」
「さ・・・さっくん・・・さっくん・・・っ・・・ぁ・・・ぁあ・・・ああああっ!」
という展開。
この書込みをしたのは私なわけですが、
設定をなるべく矛盾なく回避する結末を考えて思いついたネタ。
この場合、もちろんふたみは死亡。
個人的には、こういう誰も救われないエンドは大好きです。
でもまぁ、ネタはネタということで。
異ならぬ世の終わりより
オーディンが借りを返した結果
考察に“神の力”を持ち込むのは、ナンセンスだと思いますが……。
もし、エピローグでオーディンが、ラグナロクを止めた“借り”を返していたとするなら――
オーディンが「借りを返す」といっている部分。いろんな意味にとらえる事ができて、解釈が1つに定まりません。
貴様たちが何処の神が生み出した世界の結果なのかは知らぬ。
だが、どのような螺旋の系譜を辿ろうと、必ず貴様に――
貴様たちにこの借りを返そう。
誓った。
――この『激怒』が誓ったのだ。
私は大空を見上げ、届かない声を張り上げる。
後は、『サク』――
貴様しだいだ。
貴様が何を選び、何を得るのか。
貴様たち人間にとって「避けようのない未来」に、わずかばかりこの私が干渉したところで――
選ぶのは貴様たちなのだからな。
これでは、
「借りを返そうと思っているが、(作品中では)まだ返していない」とも
「ひとまず『借りを返す』ための『干渉』はした。しかし、それが螺旋の系譜を辿った結果、どういう影響を生んだかはわからない」とも
考えることができます。
↓は、後者の「すでに『干渉』はしたが効果不明」だと仮定した場合のもの。
作中のオーディンは、それぞれの世界にあわせて細かくフォローするような性格じゃない。たぶん。
なので、どの結果でも似たような効果になるはず。
3ルートのエピローグ中で、明らかに“超常現象”で、それまで伏線らしい伏線もなかったのは、此芽ルート「桜の木の復活」。
これがオーディンの力だとすると、桜を生き返らせた「この世の法則を逆しまに辿る行為」が、干渉の内容のはず。
それを3ルートそれぞれに当てはめると、
- ふたみルート
- 死んでいたはずの、策の復活。
- 此芽ルート
- 枯れて朽ち果てていたはずの、桜の木の復活。
- 傘ルート
- 傘姉が殺したはずの、ふたみの復活。
ほかの考察内容とおもいっきり食い違っていますが。
そもそも、借りを返したかどうかがはっきりしないので、考えられる解釈の1つと言うことで。
オーディンが策たちを生き返らせたとすると、問題なのは“人間の尊厳”を守る「病める舌の願い」に引っかかるかもしれないということ。
でもこれは、
- 人間という種の尊厳が失われているわけではない
- この干渉で、人間がどうにかなるわけじゃない。むしろ、神が人間に対して礼をしているので、尊厳は高められているとも考えられる。
- オーディンはあまり約束を守るほうではない
- 「武神をやめて賢神になる」と誓いつつ、何度も破った上に、結局最後まで果たしていない。
- そもそも破る気満々である
- 最後に「邪魔と言われようと不遜と蔑まれようと、私は貴様らの世界を護る」とか言っている。
スットゥングがオーディンの従者を辞めたのは、オーディンのこういう性格に嫌気が差したからかもしれない……。
その他資料
人名と意味
人名 | 読み | 意味 |
巽 | たつみ | 物事の本質を見抜く異能「解対」を持つ一族。その力は“龍が視る”といわれ、一族は『龍視』と呼ばれた。後に、雲戌亥家との関係を断ち切ろうと『巽』に改めた。 策は、戌亥(北西)に対する辰巳(南東)と考えたが、これは誤り。 |
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策 | さく | ウエハースを齧った時の効果音のような名前。 結果としてラグナロクから世界を救った策(サク)だが、オーディンが人間の世界(ミッドガルド)を守るために作ったものも柵(サク)であった。 ふたみ大先生いわく、「策」は「むち」と読ませたりもする。確かに策は、第2部に入るまではずっと「無知」だった。 |
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唯井 | いい | 空明市を覆う有識結界によって「雲戌亥」の名が変形したもの。策には「雲戌亥」が『唯井』と聞こえた。 『唯』はただ一つのもの。『井』は井戸のある人が集まるところ、街を意味する。『唯井』とは、“ただ一つ限定された街”。その街の中心である者の名。 |
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ふたみ | ふたみ | 『二見』であり『双水』でもある。 作中に明記はないが、『二見』とは“再び見える(会える)”、失われた太陽が再び人々の目に見えるようにという願い。『双水』は、雨の象徴でもある「蛙蟆龍」を指していると思われる。 |
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桜守姫 | おうすき | オーディンの従者の一人と勝手に思い込んでいる妖精(御前)が、グングニルで生み出した、魔術師の一族。数多くあるオーディンの呼び名の1つから、御前が『osci』(望むもの)と名づけた。 |
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此芽 | このめ | 此芽は、御前にとっての希望。つまり『芽』。『此から生えた芽』という意味で名づけられた。 |
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明日宿 | あすく | 始祖である“病める舌”スットゥングが、『人間である』ことの象徴として名乗ったもの。 アスクとは、北欧神話で、オーディンがトネリコの倒木から作った最初の人間の男。ちなみに、ニレの倒木からは最初の人間の女であるエムブラが作られた。 |
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傘 | さん | 明日宿家が、代々「蛙蟆龍」に対するものとして受け継いできた名。 “「蛙蟆龍」=「雨」を防ぐもの”としての『傘』。そして、“「雨が降る」=「蛙蟆龍が生まれる」前に現れるもの”としての『暈』(「雨の前夜、月に“かさ”がかかる」という時の、月にかかる光の輪“かさ”)。 代々言霊を込め続けたこの名を受け継ぐことで、傘姉は対「蛙蟆龍」において絶大な力を持つようになった。 |
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てる | てる | 傘姉の本名。雲戌亥家が雨(蛙蟆龍)を降らすことなく、ずっと晴れていて欲しいという願いから、『晴』と名づけられた。 |
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未虎 | みとら | 雲戌亥家を護る守護四家の内の1つ。「蛙蟆龍」となった雲戌亥の娘が眠る「空明の里」を守る墓守の家系。格闘に優れる。 『未』は南南西、『虎』は東北東を指す。 |
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愛々々 | めめめ | 祖母の名は「愛」。母の名は「愛々」。守護四家として他の三家に遅れを取らず、宗家の役に立てるようにとの願いとともに受け継いだ名は『愛々々』。 そのためメメは、自分のことを「愛」と呼び、友人からは「愛々」と呼ばれることを好んだ。 ふたみルートで、宗家直系の令嬢の相手である策に、叶わぬと知りつつも、恋心に身を焦がすのはその名前ゆえか。 |
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みどの | みどの | 『緑野』の意味。此芽とみどのの姉妹で、“此から生えた芽が緑の野になりますように”という願いを込めて御前が名づけた。小生意気なガキの姿をした妖精のくせに、考えることは意外と純な御前。 |
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透舞 | とおりまい | “隠す”“見えなくする”ことを目的とした「舞」を伝える家系。透明の舞を行う『透明の巫女』。 「透明の舞」とは、空明市において“神”ともいえる「雲戌亥家」にとって都合の悪い事を、局所的に隠すために行われてきた――らしい。効果としては有識結界に近い。しかし、のんの世代ではすでに役目を負え、何も伝えられていない。 |
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のん | のん | 「透明の巫女」の役目を終え、これまでの透舞家を否定するものとして『NON』。外国語なのは、空明市の閉ざされた結界が解けた後は、街は日本とだけではなく、世界の他の国とも一体となるだろう……というところから。忘れがちだが、空明市はいちおう東京都内の街。 |
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雲戌亥 | くもいぬい | 空明市を支配する、炎の異能を持つ一族。かつては、かの地の火葬を執り行い、「浄任」と呼ばれていた。しかし、「浄任」は穢れ役。人死にを意味する“忌み名”であったため、普段は「浄任」が住んでいた里の北西をさして『戌亥』と呼んだ。 その後、『戌亥』の者は土地のものを“大地が干上がるほどに”焼いた。「戌亥」とは「乾」でもあり、“乾く”事でもある。 立ち上る炎は雲を生み、消え去ることのない雲によって土地は覆われ、やがて雲は支配と恐怖の象徴となる。 そして、この地の支配者を意味する「雲」を冠する、炎の使い手=「乾く者」である、『雲戌亥』が生まれた。 |
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静 | しずか | かつて後白河法皇が取り仕切った雨乞いの際、最後に舞った舞姫である静御前。確かに“もの静か”な人物だが、心は炎で燃えている。 |
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午卯 | ごぼう | 雲戌亥家を護る守護四家の内の1つ。雲戌亥宗家の大門守護を任される家系。長柄武具の扱いに優れる。 『午』は南、『卯』は東を指す。 |
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茂一 | もいち | 午卯家の家訓は「ただ一つを度重ねよ」。その午卯家の体現者として、『ただ一つを茂もの』。 |
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申子 | しんし | 雲戌亥家を護る守護四家の内の1つ。雲戌亥宗家の者の護衛を任される家系。刀剣類の扱いに優れる。 『申』は西南西、『子』は北を指す。 |
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菊乃丸 | きくのまる | 『丸』は刀。刀剣に優れる申子家の「雄」を象徴するもの。 『菊』とは一年で一番終わりに咲く花。つまり、“最後”の意味。 『菊乃丸』とは、『最後の刀』。申子の者として、最後の最後まで雲戌亥宗家の役に立ちますようにとの願いが込められている。 |
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酉丑 | ながひろ | 雲戌亥家を護る守護四家の内の1つ。暗殺の任を受け持つ家系。暗器(暗殺用の武器)の扱いに優れる。 『酉』は西、『丑』は北北東を指す。 酉丑だけ作中に名がでない。酉丑の姓のみ。これは、暗殺の任を負う者として、『名を捨てた』からだと思われる。 |
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呼び名 | 読み | 意味 |
お主人ちゃん | おしゅじんちゃん | 「ご主人様」+「お兄ちゃん」。 策が昔、一緒に遊んだ女の子に“お兄ちゃん”と呼ばれていた――という話を聞いて、“策はお兄ちゃんと呼ばれたがっている”と解釈したふたみが、独特のセンスで考案した策の呼び名。 |
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妾 | めかけ | 愛々々=メが三つ。つまり、「メメメ」=「メ×メ」=「メ掛け」=「妾」という、ふたみの独特のセンスで考案された呼び名。 |
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トリマキ | とりまき | ふたみが、のんを呼ぶときに使う呼称。確かにのんは此芽の取り巻きだが、ふたみには悪意はない。開発時設定が「取り巻きA」だったらしい。 |
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媛 | わらわ | 本来なら、“わらわ”は「妾」と書く。が、「妾」はいるし、“媛である自分”を指す言い方ということで「媛」。 |
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クイ | くい | 此芽がふたみを呼ぶときの呼び名。 此芽は、桜守姫家において雲戌亥家を示す俗称の1つでふたみを呼んでいるが、策には「クイ」と聞こえる。「雲戌亥家を示すもの」が有識結界で変形し、此芽が“認識するもの”が策に伝わった結果。“認識するもの”が渾名のように聞こえるのは、此芽が“渾名という認識で呼んでいる”から。 |
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ココちゃん | ここちゃん | 傘姉が此芽を呼ぶときの呼び名。 「コノメ」→「コノ」→2つ繋げた方が親しみが沸く→「コノコノ」→「ノコノコ」のほうが可愛いかも→“間を取って”「ココ」か「ノノ」→これからの時代を先取り→「ココ」ちゃん。 深く考えてはいけない。感じろ。 |
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スリーサイズ
キャラ名 | B | W | H |
唯井ふたみ | 84C | 58 | 83 |
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桜守姫此芽 | 78A | 56 | 80 |
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明日宿傘 | 89E | 59 | 85 |
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未寅愛々々 | 73AA | 55 | 77 |
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透舞のん | 86D | 60 | 87 |
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桜守姫みどの | 81B | 57 | 82 |
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炎の力
使い手 | 能力 | 読み | 効果 |
雲戌亥静 | 『レイ辞』 | れいじ | 「レイ」は右に倒した「巾」の下に「火」。 言霊の力(「言葉」がもつ“意味”を力にしたようなもの)。言霊は炎に関連した形で発動する様子。 効果範囲は広く、空明市全域を対象にできる。また、使用範囲内で焼く対象/焼かない対象を選択可能。 使い続ければ若々しく在り続け、使わなければ年を経るという、言葉の性質そのままに、静も言霊を使えば若返り使わなければ年老いる。 |
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未虎愛々々 | 『意炎』 | うらやき | 対象に直接情報を送り込む能力。情報は炎にまつわるイメージを伴って、対象の心を焼く。 能力の使用中に相手が死んでしまった場合、『意炎』の炎は効果を発揮する場を作ろうとして、相手の脳を生かし続けようとする。持続時間は数時間から数日。この効果の持続中は、相手の痛みが使用者にも伝わり、メメにも苦しみをもたらす。 |
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午卯茂一 | 『塞塁』 | さいるい | 形に関係なく、“内部”を形成している場を守る力。使用者の意思に反して侵入しようとする者を焼く。 茂一は、雲戌亥宗家屋敷の敷地に『塞塁』をかけ、その内側にいることで強固な守護を敷いていた。 |
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申子菊乃丸 | 『煩悸』 | ほとおり | 自分を中心とした熱源を操る力。生み出した熱は、鉄ですら一瞬で溶かすほどのものになる。 触れた物に自在に熱を伝えることができ、温度の調整も可能。また、自分自身が高熱を持つだけでなく、周囲の熱を感じ取ることもできる。 |
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酉丑 | 『抗躬』 | あらがみ | 抗力を焼く力。空気抵抗や摩擦など、自分にかかる物理的抵抗力を焼き、一切の抵抗なく高速に動くことができる。 また、焼いた抗力の“灰”を相手にかけることで、相手の抗力を増加させることも可能。しかし、“灰”の量は手のひら一杯まで。一定の時間が経過すると溜めた“灰”は失われる。 |
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炎の副作用?
雲戌亥宗家や守護四家の強力な炎を操る人は、それぞれに身体的なペナルティを受けている。ような気がする。
これはきっと、本来は神の力であった異能を人の身で使うことから来る副作用。かもしれない。
- ふたみ
- 異能としては“蛙蟆龍になる”ことか。生まれつき体が弱く、「餌の呪い」がなければ、生きることもできなかった。
- 静
- 若返りすぎる。いや、ペナルティかどうかわからないけど。言い伝えによれば、静が子供を産んだのは19歳の頃だったといわれる。CGの若返り静は、どう見ても10歳前後。ふたみよりも若く見える。
- メメ
- つるぺた。ロリ体型と自覚している此芽よりも小さい。メメの胸を叩くと、“ぷに”ではなく、“こん”という擬音がする。風車の式守息吹といい、ロリキャラツンデレが流行ってるんだろーか。
- 茂一
- つるぴか。頭髪が新天地を求めて旅立ってしまっている。
- 菊乃丸
- 隻眼。剣を使う武道家としては、距離感が失われるのは大きなハンデかもしれない。もっとも、『煩悸』を熱感知センサーのように使えば、相手との距離を正確に捉えることはできると思うけど。
- 酉丑
- 言葉を使うのがうまくない。作中に登場シーンが少ないため、それ以上を知る材料がない。というか、この登場シーンの少なさが、最大のペナルティかもしれない……。
骸を貪り喰うもの
使い手 | 真名 | 読み | 効果 |
此芽,みどの | 斧の時代 | スケッギョルド | 斧を喚び出す。 大量の斧を出現させて対象をひっき〜にく〜♪にする以外にも、斧で空間を切り裂いて瞬間移動(に近いこと)をしたり、斧をぶつけ合わせて生まれる火花で発火させたりもできる。 |
此芽,絡繰人形 | 軍勢の守り手 | ヘルヴォル | 攻撃を防ぐ。 此芽はこれで攻撃を防ぐだけだったが、より使いこなしている絡繰人形は攻撃にも利用している。どういう攻撃をしているかは不明。 |
此芽 | Zauber Walkure | | 此芽が「骸を貪り喰うもの」の真名を使う前に展開するもの。影の中にいくつもの真名が浮かび上がり、発動可能状態になる。 |
此芽 | 軍勢の戒め | ヘルフィヨトル | 実際に使用しているシーンはない。 |
此芽 | 槍の戦 | ゲイルスケグル | 槍を喚び出す。放った槍は無数に分かれ、目標を刺し貫く。 |
此芽 | 盾を壊す者 | ランドグリーズ | 相手の防御を破る。 |
此芽 | 神々の残されたもの | レギンレイヴ | 効果は不明。 此芽は「グングニル」を放つ“道を確保する”ために、この真名を使った。発動した真名は策によって解対され、「グングニル」の力を活性化させた。 |
此芽ルートでは、御前にとって策は、『ラーズグリーズ』だったかもしれない。
武式傘
明日宿の『傘』が持つ武器。
普段は和傘の外見をしているが、特殊な開き方をするとまるで蜘蛛の節足を想わせる不気味な姿へ変貌。その骨子と「刃」の組み合わせにより、さまざまな形の武器となる。
組み込まれた「刃」一枚一枚には、ルーン文字の処理が施されており、瞬間的に「文字」を組み合わせ、【盾】【矛】等の意味を持つ様々な【魔力】を発動させることが出来る。
使いこなすには、熟練者としての知識と、天賦の才が必要。
和傘の幕(羽ともいう)の構成は複数の部位に分かれる。
- 軒紙
- 傘の外周を縁取る紙。最初に張るのはこの紙。
- 中置紙
- 開閉時に負担のかかる、親骨と傘の内側の受骨(小骨ともいう)の接点(中節)上に張る、補強用の紙。張らないものもある。
- 天井紙
- 中節から内側の紙。平紙と区別せず、1枚で張るものもある。
- 平紙
- 中節から外側の紙。天井紙と合わせて1枚の場合もある。
しかし、作中ではこの区別は行われず、すべて「平紙」と表記されている。
余談だけど、和傘と洋傘では上下が逆。
洋傘は、手元の柄を上にして運び、置く時も親骨が束ねられている先端を下にして置く。そのため、石突は親骨を束ねた部位の先端にある。
和傘は、親骨を束ねる部分(頭ロクロ)を上にして運ぶ。そのため持ちやすいように、頭には紐などが付いていることがある。これは、和傘は閉じた時に留める仕組みがなく、手元の柄を上にすると開いてしまうため。そのため、洋傘とは逆の持ち方になる。置く時も頭ロクロを上、柄を下にするため、石突は手元の柄の先端にある。
型 | 読み | 効果 |
意 | い | 傘を開いた状態で攻撃を行う。 「武式傘」に内蔵する「刃」を、主に飛ばして攻撃。 〔射程は画面端にまでも届き、刃を飛ばしてからの操作も若干効く。さらに連打も出来るが、本数は限られており、使いすぎると若干の間、リロードタイムを必要とされる(青ゲージ参照)〕 |
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飛 | ひ | 苦無に似た「刃」を飛ばして攻撃する。一度に撃てる「刃」の数は1本。 「刃」は高速で飛び、目標に突き刺さる。その飛行速度は銃弾よりも速い。『抗躬』の力で高速に移動できる酉丑すらも上回る(銃弾の速度を認識できる酉丑だが、『意』は“投げた”ことすら知覚できなかった)。 『意』との違いははっきりしないが、速度が大幅に上がっているものと思われる。 〔『Rising傘 〜和風式天体観測活劇〜』にはない〕 |
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余 | よ | 武式傘の刃群を集結させ、瞬間的に剣の形を成して攻撃する。 作中に明確な表現はないが、武式傘が花のように刃を開いている絵(「ビジュアルモード」傘イラスト、1ページ目3段中央で鮮血の中で振っている形)が『余』の型だと思われる。 〔移動スピードは若干落ちるが、攻撃力は抜群。また、ややシビアなタイミングを必要とするが、防御も出来る。ただし、リロード中はこの攻撃も出来ないので要注意〕 |
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曝 | ざらし | 『余』の発展型。傘を裏返し、武式傘に内蔵される「刃」を重ね合わせ集結させて、厚刃の一口の剣にする。 〔『余』より攻撃力が上がるが、欠点も比例する。〕 |
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注 | ちゅう | 傘を開いた状態で回転させ、前方に対して「刃」を連射する。 放たれる「刃」の数は、傘の表面の平紙と同じ数。作中では「平紙」とあるが、おそらく平紙だけでなく、天井紙などすべての紙を飛ばしていると思われる。 「刃」を飛ばすと、傘は骨だけになるが、傘の先端を覆う器具(頭ロクロ)から、次々と平紙が補充される。 〔攻撃範囲は前方に集中するが威力は高く、使い方によっては多数の敵を巻き込めるので使い勝手は良い。また、使うのは赤ゲージ(技ゲージ)のみなので、その後の攻撃にリロードも必要ない〕 |
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霰 | あられ | 明日宿傘の奥義の一つ。武式傘を開いて掲げ、平紙から全ての「刃」を開放して上空に撃ち出す。撃ち出された「刃」は、虚空で反転して雨のように降り注ぎ、広範囲の敵を襲う。 〔画面範囲全体の超威力の技。しかしこれを使うと、青ゲージ,赤ゲージともに空になるので、事後の注意は必要となる〕 |
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〔〕内のコメントは、2007/04/01にエイプリルフールネタとしてLump of Sugar Official WebSiteに公開された、『Rising傘 〜和風式天体観測活劇〜』より。
吼えし唸り
番号 | ルーン | 効果 |
第一 | 『救済』 | 心とは鍛錬を怠った脆弱な肉体と同じように、病を得るものである。 哀しみ、不安、乾き――貧弱なる想いの欠片たちよ。 これらを取り除き、心の均衡を保つがその効果と知れ。 |
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第二 | 『治癒』 | 医師なる道徳を志すものは心せよ。 身体を預けた患者を生かすも殺すもその手にかかっていると知れ。 |
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第三 | 『防御』 | この身に向けられた切っ先に殺意あれば、その鉄塊はたちまち鈍と化す。 赤子の皮膚すら傷つけること叶わぬと知れ。 |
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第四 | 『解放』 | この身を縛するいかなる制限も、その結び目は紙切れに等しいと知れ。 |
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第五 | 『感知』 | 飛来する危機はそれが何であろうと、我が目に止まると知れ。 |
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第六 | 『呪返』 | それが道端の小石であれ、私を傷つけようと呪いを刻まれしものあれば、たちどころにその効力を失うと知れ。 |
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第七 | 『鎮火』 | 炎の国の如何なる眷属とて、たちどころにくびり殺されると知れ。 |
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第八 | 『沈着』 | 生ける者、死せる者を問わずして内より湧き上がる昂ぶりの名は憎悪。 生死を問わずしてそこに在るものを殺すその昂ぶりは、瞬く間に霧散すると知れ。 |
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第九 | 『和凪』 | 気紛れな海原が如何に機嫌を損ね荒れ狂おうと、即座に平地に等しき心理に到達すると知れ。 |
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第十 | 『退魔』 | 邪なる魂が揺らぎし時あらば、その魂魄を永久なる迷いの宮に追放できると知れ。 |
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第十一 | 『鼓舞』 | 戦士とは同時に勇士である―― が、もしも心折れる事あらば、その内に萎縮し誇りを取り戻せると知れ。 |
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第十二 | 『亡話』 | 肉の器を失いし亡者の如何なる囁きをも聞き逃さず、対話かなうと知れ。 |
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第十三 | 『死忘』 | 生ける権利を有する者より死せる権利を奪い、その身を不滅と為せると知れ。 |
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第十四 | 『約諾』 | これは認められた者だけが、その身に宿せる証―― 神と妖精の厳秘に触れること叶う。 私が認めるだけの者にこそ、この印を刻むと知れ。 |
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第十五 | 『不滅』 | 『約諾』が人間の為のものならば、これは神と妖精、そして私の為のものと知れ。 |
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第十六 | 『情愛』 | 耳元で囁く戯れ一つで、容易く女どもの心を虜にできると知れ。 |
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第十七 | 『貞節』 | すでに手に入れた女がいる男は心せよ。心変わりは世の常ならば。 であればこそ、その女を生涯に亘って己の膝元に置けると知れ。 |
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第十八 | | 言葉にせぬことこそがこの呪法を完成させるものである。 |
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本編感想
→いつか、届く、あの空に。
- すごいです。ゲームプレイだけでは理解できなかったことがとても分かりやすく理解できました。 -- DARK?
- 傘ルートで策が生きているのは「餌の呪い」をかけた静かが死んだからでは? -- DARK?
- 策が生きてる理由や、静が死ぬと呪いが解けるのかとかは、作品中にはっきりと書かれてないので、いろんな考え方があって、正解はない思います。なので、「このページ内での解釈でツジツマアワセしたもの」と思ってもらえれば・・・ -- すずなり?
- 策の解対が視ていた物はやっぱりグダグダになるんですね・・・残念 -- 七氏?
- わからない謎がわかりました -- あぁ?
- 解対は、「狼のところまで行く」というのさえなければ、何とかなりそうですけど、その1つがうまく説明つかないです -- すずなり?
- 私も「ふたみ死亡説」派ですが、私の場合、策がてるに鏡を見せながら 「〜んだな、てるは」 と強調するように何度も言っていることから、あれは映った彼女の素顔を紹介している。と、解釈しています^^; -- 名無し?
- 「ふたみが死ぬことで策が助かる」というのが、必ずしも成り立たないということ。 策・ふたみ・此芽のうちから二人が死ななければならない。 この2つは矛盾してませんか?前記を主張するなら、ふたみが死んでも餌の呪いが解除されることはない気がします。 また、個人的な考えですが、「二回分の呪い」という考えを止めれば案外簡単に片が付く気がします。普遍的に考えて「人間には一人ひとつの命しか持たない」のですから、餌の呪いが策に何度掛けられたとしてもそれは重複とみなされてしまうのだとすれば、一度の発動で餌の呪いが解除されてもおかしくないと思います。 -- ぷア?
- 「策・ふたみ・此芽のうちから二人が死ななければならない」→「策とふたみが死んで此芽が助かる」という可能性もある――と考えました。「2回」というのは、各ルートでメインキャラが2人死んでることからの推測。でも、正解が出ているわけではないので、解釈の仕方はいろいろあると思います。 -- すずなり?
- あ、『「ふたみが死ぬことで策が助かる」というのが、必ずしも成り立たない』この記述は命の供給の停止に関して書かれているのですね。 とはいえ、『巽から蛙蟆龍に命が流れるのではなく、「巽の死」と「蛙蟆龍になるための力」は、どちらも別々発生した言霊の結果。』という表記があるのに「策とふたみが死んで此芽が助かる」(=ふたみが餌の呪いを引き受けることができる)というものに疑問を感じます。 逆説的に言えば、此芽が死ななかった場合、ふたみは餌の呪い(別々に発生したはずの「巽の犠牲」を条件とする「餌」の言霊)の影響を受けて死んでしまうことになります。 -- ぷア?
- 「策は呪いを2回受けてる」「呪いは死ななければ終わらない」「何かを奪うものではない」を満たすために捻り出した考え方なので、苦しい部分があるのは確かです。呪いの成立条件に『発生した力の受け入れ先があること』も加えた方がいいかもしれない。ふたみが死んだ場合は、受け入れ先がなくなることで、呪いの効果が消失……とか。 -- すずなり?
- 傘ルートのアフターはPS2版で明確に語られるものの、そこまで語るのは蛇足ではないか?とも思える。公式見解があることの良し悪しを感じた。 --
- 傘シナリオを踏まえた上で此芽シナリオを考えると、必ずしもふたみ死亡説が当てはまるとは思えない。かなり確率は低いですが、ふたみが生きている可能性があると思います。その場合、ふたみ死亡説が2つになりますが…。ふたみ生存説は、傘シナリオと同じで傘に殺されたと思わせておいて実は生きていたと言うもの。そして、ふたみ死亡説の一つは傘シナリオと同じで、明日宿の襲撃でふたみが死亡と言うもの。もう一つは、ふたみエピローグにあった桜守姫による襲撃でふたみが死亡と言うもの。桜守姫の襲撃理由はふたみエピローグと同じもの。 --
- 策の解対が視ていたものですが、正確には物に込められた「銘」や「真意」、言うなれば『真銘』といったものではないでしょうか?ただ単に名前を見ていただけならば、いくらなんでも「名前のある人」に触れないことはありえないので、今までに解対が目覚めていてもおかしくないはず。ならば、単なる名前ではなく、その人の名前の裏に隠された意味を視ることが策の真の解対ではないでしょうか?村正にも同じことが言えるのだと思うのですが、どうでしょうか。これならば、「巽策」⇔「狼殺し」という表裏関係の真意でお互いを行き来することもできなくもないかと。ついでに、やたら策の察しが良かったのも、自分の「策」という名前に解対を使っていたからじゃあないでしょうか。 --
- 策発狂説に激しく萌える俺は悪魔か。 -- リーサルウェポン?
- VFBをみると、此芽ルートでも明日宿の襲撃があるみたいですが…愛々々は確実に死んでるみたいですね。ならふたみは? 傘ルートのように雲戌亥家の屋敷に残り、一人で策達の前に出てこないまま一族の供養をしているんでしょうか? もしくはそのまま傘に討ち取られた?それか辛うじて生きていたけど護衛が居ないので桜守姫の襲撃で死んだのかも?あと、明日宿は雲戌亥一族の死体ってどうしたんでしょう?弔ったのか、そのまま野晒しのまま?ふたみが死んだ場合ふたみの死体も?だとしたら酷すぎる。最後に此芽ルートの策に一言。ふたみがどうなったか位気にしろよ! --
- TGの付録版でクリア --
- 途中で送信、失礼。 蛙蟆龍も確かに人間の尊厳を否定する行為かも知れませんが、「尊厳を否定する」って意味合いで言えば、桜守姫の御前の方がよっぽど酷い事をしているような? 明日宿家的には、御前の事をどう捉えていたのでしょう? かつての同僚だから特別免除? 御前は、雲戌亥家の力を”血”の影響と解釈したようですが、でも静さんが百人目の巫女として、雨乞いしたのは京都でしょう? してみると”血”の影響を受ける前から、そこそこの力はあったような。 空明市を封印する事で力を増幅する儀式に”血”は欠かせない要素でしょうから、”血”の回収によって雲戌亥の力が弱まるのは確実でしょうけど。 傘ルート、蛙蟆龍を止めるのが明日宿家の目的とするとなら、ふたみが 蛙蟆龍になるのやめれば、ふたみを殺す必然性はなくなりますよね。どうやって止めたのか書かれていないので、もやもやは残りますが。 フィアラルの殺害は、ラグナロクそのものを止めたのではなく、ラグナロクによる呪いを止めたのだと解釈しました。 ラグナロクというのは、一連の手順によって神々を呪い殺す巨人族の呪術だったするのなら、フィアラルが鳴かない事で、オーディンの死は止められるでしょう。 --