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ef - the first tale. の変更点


|~分類| Windows版エロゲ / インタラクティブ・ノベル |
|~発売日|2006年12月22日|
|~メーカー・ブランド|[[minori>http://www.minori.ph/]]|
|~製品リンク|[[ef - the first tale.>http://www.minori.ph/]]|
|~Wikipedia|[[ef - a fairy tale of the two.>http://ja.wikipedia.org/wiki/Ef_-_a_fairy_tale_of_the_two.]]|
|~購入店|Sofmap.com|

#contents

* 概要&たぶんネタバレしてない感想 [#k32ed568]
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|~シナリオ|★★★☆☆|シナリオ自体は普通。もっとも、それがメーカー側の意図らしい。普通のストーリーを、演出や見せ方で工夫するというスタイル。ボリュームが少ないのが難点。|
|~OP/ED歌 脳内ループ|★★★★★|ボーカル曲は作中で1つ。しかし、2006年発売作品の中では、個人的にはダントツだったと思う。|
|~BGM シーン印象|★★★★☆|BGMそのものは、ものすごく良い。ただ、もともと“普通のシナリオ”であるためか、強烈な印象のあるシーンが少ないため、BGMの印象も薄くなる。BGMがBGMに徹しているのは、作者の意図通りなのかもしれない。|
|~CG シーン印象|★★★★☆|CGはすごく凝っているけど、やはりシナリオのためか、インパクトの強いシーンが少ない。ただ、全体通して演出の細かさに驚く。|
|~エチシーン 完読率|0.5 / 2.5 回|テキスト自体、あまり凝っていない。シナリオ的には「そういうことがありました」で済む内容。|
|~総合|★★★★☆|全体としては高いレベルでまとまっていると思う。あまり人にはお勧めできないけど。|
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購入の動機は、&size(24){''謎''};。~
世間的には、七尾絵だとか御影シナリオだとかいわれていますが、それを知ったのは&size(16){予約をした後。};そもそも普段から、あまり絵師やライターの名前は気にしない。~
メーカーがminoriだと知ったのも、予約をしたとき。~
毎月の新作チェックからも完全に漏れていて、minoriが新作を出すということも、そのタイトルが何かも知らなかった。((minoriの作品は「Wind」以来で、「はるのあしおと」にも気づいていなかったりする。))~
「ef」の作品名を知ったのは、2ch作品別板の「この青空に約束を―」(戯画)スレ。作品どころか&size(16){メーカー違い};の''超ロングパス。''((高速トークをする三田村茜の中の人が出ている作品が話題になった時に、宮村みやこの名前が出た。))~
プロモーション効果が大きかったと思う新海氏のムービーも、見たのは予約の後。~
「ef - First Fan Disc」をプレイしたのは「ef - the first tale.」が発売された後だし、「ef TECH GIAN SUPER Prelude」にいたっては「ef - the first tale.」&size(16){クリア後に開封};した。((それまで、Amazonのダンボール箱の中に埋もれていた。))~
もともと私は普段から直感で新作を選ぶことが多いけど、ここまで前情報がない状態で予約をするのは珍しい。~
なぜ買ったのかは自分でも激しく謎だけど、まぁ、これも何かの縁。少なくとも、損をした気はしていない。~
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メーカーサイトでは
>『ef - a fairy tale of the two.』という物語を描くため、私達が選択したもの。それは“群像劇”の表現手法です。
<
と、書かれている。~
実際、他のエロゲとはまるで違う、凝った演出がされている。~
でも、「群像劇」という部分では、失敗したんじゃないかという気がする。~
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まず、プレイヤーの位置がはっきりしない。~
「群像劇」というなら、プレイヤーは物語の外部の視点であるべき。キャラを描写する表現時間に差はあったとしても、プレイヤーは主要キャラクター全員からなるべく等しい距離にいて、全体を客観的に見ているもの。~
ところが「ef - the first tale.」本編中では、序章を除くと、「主人公視点」で物語が進む場面が多い。~
プレイヤーが第三者視点になるのは、シーンの中心がヒロインキャラやサブキャラクターにあって、主人公が登場しない場合のみ。その場合でも、シナリオの中心人物である特定の1人側からしか描写がされていない。~
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それなのに、妙に(主人公ではなく、ゲームをプレイしている画面の外の)プレイヤーを意識していると感じる部分が多い。~
キャラクターの内面に近づくようで、変に距離を置かれた印象。~
キャラクターの台詞が、作中のキャラクターではなく、露骨にプレイヤーに向いてると感じる部分もある。~
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「群像劇」というイメージにこだわるあまり、プレイヤーの位置づけを意識しすぎている感じがした。~
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テキストの表現が弱いのも気になる所。~
これはゲームシステムから来る制限も大きいのかもしれない。~
「ef」は、とにかくCGの表現が凝っている。大量の差分画像が使われていて、1つのシーン中でもとても細かく変化する。~
その画像を大きく見せるためなのか、システムはADV形式。テキストは画面下部のウィンドウに表示される。~
ADV形式だと、一度に表現できるテキスト量はどうしても少なくなる。~
少ないテキストでは、情景描写が足りない。~
画像とテキストを合わせて表現しているのかもしれないけど、それでも説明不足感が残る。~
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描写はかなり丁寧。細かい所までしっかり作りこまれているのを感じる。~
半端ではない画像の描き込み具合には、驚くほかない。~
例えば、デジタルビデオカメラの液晶部分と、カメラが向いている被写体の動きとが一致していたりする。最近のアニメやコンシューマゲームなら、安易にポリゴン描画で同期させるところ。もちろん、画像の差分パーツは複製かもしれないけど、それをスクリプトで同期させているのはすごい。~
キャラクターの設定や表現も魅力的で、奥深さを感じさせる。~
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だけど、&color(Maroon){感情移入はしにくい。};~
かといって、&color(Maroon){離れた位置から客観的にも見れない。};~
笑えるイベントは多いし、各章のシナリオはそれなりに盛り上がる部分があるのに、あまり「感動した」とか「面白かった」という印象がわかなかった。~
それでも、作品の良し悪しを聞かれると、これは「良かった」と言い切れる。~
なんとも評価の難しい作品。~
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全体を通して作成側の主張が強すぎる感じがするのも、気になるところ。その露骨な主張が鼻につくと、まったく受け入れられなくなるかもしれない。~
好き嫌いがかなり激しく分かれる作品だと思う。~
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もともと1本だったものが分割リリースされたせいで、シナリオ量は少ない。~
しかも、1,2章は全体のまだ前半ということで、あまり深いところまで踏み込まれていない。~
そのため、その辺の“薄さ”から、あまり人にはお勧めはしづらい。~
でも、個人的には悪くはなかったと思う。~
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こうしてみると、あまりいい評価をしてるようには見えないけど、ドラマCDなどの関連製品も含めると、けっこう面白い作品群になる。(マンガ版はゲーム版と内容そのままらしいので、見なくていいと思うけど)~
設定がかなりしっかり作りこまれているようなので、ドラマCDでもキャラの演出がしっかりしていて楽しい。むしろ、本編よりドラマCDのほうが面白いくらい。~
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** ムービー [#yacd2929]
minoriといえば、新海誠監督によるムービー。今回も、他の作品とは一線を画す、圧倒的な描写と演出が施されたムービーが提供されている。~
曲との絶妙なシンクロ。~
細かく描き込まれた背景。~
独特の光の演出。~
テーマソングのサビの部分では、大胆な画面の動きと曲に合わせたカットで、とても強い印象を残す。~
&size(24){この動画が作られたというだけでも「ef」を高く評価していいくらい。};~
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プロモーション用の動画は、Youtubeでも公開されているけど、あまり画質は良くない。~
解像度が最も高いのは、エンターブレインムックの「ef TECH GIAN SUPER Prelude」に収録されているもの。1280x960というサイズの動画が収録されている。~
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このムービーは、本編中ではオープニング的な位置づけだけど、第2章が終わった位置で再生される。つまり、1〜2章はまだ導入部ということ。~
プロモーション版の冒頭と末尾には序章にあたる部分が含まれているけど、本編版ではこれがない。かわりに、イントロには優子が紙飛行機を折るシーンが追加。あとは、数枚のカットが変更されている。~
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** テーマソング[[「悠久の翼」>eternal feather]] [#tf5ecbb9]
ムービーと合わせて流れるテーマソング。~
透明感ある静かで寂しさすら感じさせる流れから、一気に力強く駆け上がるサビの部分。とても印象深くて、初めて聞いてからしばらく''脳内ループが続いていた。''~
2006年発売ゲームのテーマソングの中では、飛び抜けて印象に残る名曲だと思う。~
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歌い手は原田ひとみ。あんくの「nachu☆nachu」を歌った人でもある。「nachu☆nachu」の明るくはじけた感じとはずいぶん違うので、同じ人が歌ってるとは聞いただけでは分からない。~
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あいにく、本編中ではフルバージョンは聞くことができない。「ef - the first tale.」発売時点では、フルバージョンが収録されているのは、先行発売されたサントラCD「eternal feather」だけ。1度再販があったとはいえ、出荷数量自体がかなり少ないようで、入手が困難になっている様子。~
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* ストーリー [#z9c3d13e]
:序章|クリスマスの夜、“誰か”を待ち続けていた雨宮優子は火村夕と教会で再会する。二人は過去の思い出話を語りあい、そして互いが離れていた間の物語を語りだす。~
:第1章|序章の1年前のクリスマスの夜。現役学生でありながら少女漫画家でもある広野紘は、ひったくりを追いかける宮村みやこと出会う。それぞれ現状に問題を抱える二人。お互いに自分にないものを相手に見つけ、次第に惹かれ合っていく。しかし、紘の幼なじみの新藤景もまた、紘に好意を寄せていた。そんな中、紘は悩んだ末に答えを出す。~
:第2章|第1章から半年後、傷を負った新藤景を被写体として追いかける、元映研カメラマンの堤京介。何とか立ち上がろうとする景。彼女をカメラに収めながら、京介は自分に足りなかったものに気づく。~

公式のストーリー紹介で、ほぼネタバレされているという罠。~
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* ゲームシステム [#u63888e5]
''Windows Vista:対象外。動くらしいけど未確認。''~
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テキストが画面下部のウィンドウに表示される、アドベンチャータイプのシステム。~
テキストをまとめて表示するタイプのバックログはない。~
その代わり、テキストウィンドウ内で巻き戻すことが可能。テキストを巻き戻すと、内容に合わせて画面やBGMも(一部効果音も)戻る。戻した位置でキャラの音声は自動で再生。ただし、選択肢の再選択はできない。~
シーンの区切りと選択肢の直前でオートセーブが入る。ただ、選択肢は1つでも間違っているとバッドエンドなので、あまり役には立たない。~
セーブ枠は多い(90枠)けど、そんなに使わないと思う。~
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標準では、ゲーム画面を最小化するとBGMの再生やオートプレイも止まる。~
環境設定で「非アクティブ時もプレイ進行」を選べば、最小化状態でもBGMが流れる。オートプレイも進行。~
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基本的なゲーム進行はキーボードだけで可能。~
ただし、トップメニュー,環境設定,Memorys(おまけモード)はキーボードでは操作できない。~
Backspaseキーで、タスクトレイ(通知領域)にアプリケーションを格納して、画面上から隠すことができる。このとき、システムの音声再生もミュートになる。~
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1章クリアすると、Memorys(おまけモード)がメニューに出現。グラフィック閲覧,シーン回想,ムービー再生,BGM再生がある。ただし、ムービー再生ができるようになるのは2章をクリアした後。~
BGM再生は順次再生。選択した位置から順番に1曲ずつ再生される。~
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インストール後はDVDメディアは必要なく、ディスクレス起動が可能。~
ディスク上のサイズは約3.9GB。~
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レジストリにインストール場所とインストール情報を格納。なぜか異なる位置に同じものを保存している。~
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独自のコピープロテクトを採用していて、インストール時にシリアルナンバーの入力が必要。シリアルナンバーはユーザー個別のもので、同梱の使用許諾契約書に印刷されている(たまに、中古で買って、使用許諾契約書がなくてインストールできない人もいる様子)。~
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独自プロテクトのためか、ネット上にはこのプロテクトに関する、真偽含めたさまざまな噂が飛び交っている。~
はっきりと分かっているのは、IDEコントローラーの識別,Windowsが標準で作成している一部の特殊パスの参照。特殊パスはWindows標準の機能で、ユーザーが自由に変更することも可能だが、変更している場合はインストールに失敗する。~
一部環境でインストールできない問題は、サポートページで配布されている修正インストーラーでインストール可能。~
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ムービー再生に環境依存の問題があり、''アップデートは必須。''~
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サポートページは、公式ページから、シリアルナンバーを入力してログインする必要がある。~
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** システム雑感 [#pd4bc139]
ゲーム本体は特に不満のない、プレイしやすいシステム。負荷も小さくてトラブルもない。~
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ただ、プロテクトが何をしているのか分からないという不安はある。~
修正パッチがシリアルナンバーによって内容が変わるといううわさもある。シリアルナンバーから個別キーを生成していて、何に使っているか分からない。必要性を感じないシステム情報の参照をしていたりと、ゲーム本編ではない部分で不安を感じさせるシステムではある。~
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* ゲームの感想(ネタバレあり) [#s9e67369]
ネタバレするようなネタがないので、書く事がなかったりする。~
シナリオ自体はありふれたもので、意外性はない。そもそも、公式のストーリー紹介だけでほとんど先が読めてしまう。~
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作中の紘の言葉で、~
>物語そのものは平凡でもかまわない。&br;
どこにでもありそうな身近な話を、絵と計算しつくした演出で印象づける。
<
というのがある。これがゲーム製作側の意図していることだと思う。~
確かに丁寧に作りこまれていて、凝った演出で印象付けることには成功している。~
だけど、それだけとも言える。~
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残念なのは、脚本に御影氏が関わっていながら、CIRCUSの「水夏」程の感動が得られなかったところ。~
シナリオの真相は「the latter tale.」側のほうにあるらしく、「the first tale.」は導入的な位置づけのようなので、後編で大化けする可能性は、まだ残されていると思う。~
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関連製品は、本編と比べるとかなり面白いので、「the first tale.」はその下地として見るのがいいかもしれない。~
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選択肢はかなり少なくて、第1章は5つ。第2章にいたっては2つ。どちらもヒロインキャラよりの選択をしていれば問題なし。~
ただ、1つでも選択を間違えるとバッドエンド(第1章のみ、4つ目の選択肢はどちらを選んでも影響なし)。~
バッドエンドが確定するのは、選択肢からかなり後なので、いちおう選択肢ごとにセーブを推奨。~
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