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ef - the first tale.

Last-modified: 2008-02-04 (月) 00:00:28 (3887d)
分類Windows版エロゲ / インタラクティブ・ノベル
発売日2006年12月22日
メーカー・ブランドminori
製品リンクef - the first tale.
Wikipediaef - a fairy tale of the two.
購入店Sofmap.com

概要&たぶんネタバレしてない感想

シナリオ★★★☆☆シナリオ自体は普通。もっとも、それがメーカー側の意図らしい。普通のストーリーを、演出や見せ方で工夫するというスタイル。ボリュームが少ないのが難点。
OP/ED歌 脳内ループ★★★★★ボーカル曲は作中で1つ。しかし、2006年発売作品の中では、個人的にはダントツだったと思う。
BGM シーン印象★★★★☆BGMそのものは、ものすごく良い。ただ、もともと“普通のシナリオ”であるためか、強烈な印象のあるシーンが少ないため、BGMの印象も薄くなる。BGMがBGMに徹しているのは、作者の意図通りなのかもしれない。
CG シーン印象★★★★☆CGはすごく凝っているけど、やはりシナリオのためか、インパクトの強いシーンが少ない。ただ、全体通して演出の細かさに驚く。
エチシーン 完読率0.5 / 2.5 回テキスト自体、あまり凝っていない。シナリオ的には「そういうことがありました」で済む内容。
総合★★★★☆全体としては高いレベルでまとまっていると思う。あまり人にはお勧めできないけど。



購入の動機は、

世間的には、七尾絵だとか御影シナリオだとかいわれていますが、それを知ったのは予約をした後。そもそも普段から、あまり絵師やライターの名前は気にしない。

メーカーがminoriだと知ったのも、予約をしたとき。

毎月の新作チェックからも完全に漏れていて、minoriが新作を出すということも、そのタイトルが何かも知らなかった。*1

「ef」の作品名を知ったのは、2ch作品別板の「この青空に約束を―」(戯画)スレ。作品どころかメーカー違い超ロングパス。*2

プロモーション効果が大きかったと思う新海氏のムービーも、見たのは予約の後。

「ef - First Fan Disc」をプレイしたのは「ef - the first tale.」が発売された後だし、「ef TECH GIAN SUPER Prelude」にいたっては「ef - the first tale.クリア後に開封した。*3

もともと私は普段から直感で新作を選ぶことが多いけど、ここまで前情報がない状態で予約をするのは珍しい。

なぜ買ったのかは自分でも激しく謎だけど、まぁ、これも何かの縁。少なくとも、損をした気はしていない。



メーカーサイトでは

『ef - a fairy tale of the two.』という物語を描くため、私達が選択したもの。それは“群像劇”の表現手法です。

と、書かれている。

実際、他のエロゲとはまるで違う、凝った演出がされている。

でも、「群像劇」という部分では、失敗したんじゃないかという気がする。



まず、プレイヤーの位置がはっきりしない。

「群像劇」というなら、プレイヤーは物語の外部の視点であるべき。キャラを描写する表現時間に差はあったとしても、プレイヤーは主要キャラクター全員からなるべく等しい距離にいて、全体を客観的に見ているもの。

ところが「ef - the first tale.」本編中では、序章を除くと、「主人公視点」で物語が進む場面が多い。

プレイヤーが第三者視点になるのは、シーンの中心がヒロインキャラやサブキャラクターにあって、主人公が登場しない場合のみ。その場合でも、シナリオの中心人物である特定の1人側からしか描写がされていない。



それなのに、妙に(主人公ではなく、ゲームをプレイしている画面の外の)プレイヤーを意識していると感じる部分が多い。

キャラクターの内面に近づくようで、変に距離を置かれた印象。

キャラクターの台詞が、作中のキャラクターではなく、露骨にプレイヤーに向いてると感じる部分もある。



「群像劇」というイメージにこだわるあまり、プレイヤーの位置づけを意識しすぎている感じがした。





テキストの表現が弱いのも気になる所。

これはゲームシステムから来る制限も大きいのかもしれない。

「ef」は、とにかくCGの表現が凝っている。大量の差分画像が使われていて、1つのシーン中でもとても細かく変化する。

その画像を大きく見せるためなのか、システムはADV形式。テキストは画面下部のウィンドウに表示される。

ADV形式だと、一度に表現できるテキスト量はどうしても少なくなる。

少ないテキストでは、情景描写が足りない。

画像とテキストを合わせて表現しているのかもしれないけど、それでも説明不足感が残る。





描写はかなり丁寧。細かい所までしっかり作りこまれているのを感じる。

半端ではない画像の描き込み具合には、驚くほかない。

例えば、デジタルビデオカメラの液晶部分と、カメラが向いている被写体の動きとが一致していたりする。最近のアニメやコンシューマゲームなら、安易にポリゴン描画で同期させるところ。もちろん、画像の差分パーツは複製かもしれないけど、それをスクリプトで同期させているのはすごい。

キャラクターの設定や表現も魅力的で、奥深さを感じさせる。



だけど、感情移入はしにくい。

かといって、離れた位置から客観的にも見れない。

笑えるイベントは多いし、各章のシナリオはそれなりに盛り上がる部分があるのに、あまり「感動した」とか「面白かった」という印象がわかなかった。

それでも、作品の良し悪しを聞かれると、これは「良かった」と言い切れる。

なんとも評価の難しい作品。



全体を通して作成側の主張が強すぎる感じがするのも、気になるところ。その露骨な主張が鼻につくと、まったく受け入れられなくなるかもしれない。

好き嫌いがかなり激しく分かれる作品だと思う。





もともと1本だったものが分割リリースされたせいで、シナリオ量は少ない。

しかも、1,2章は全体のまだ前半ということで、あまり深いところまで踏み込まれていない。

そのため、その辺の“薄さ”から、あまり人にはお勧めはしづらい。

でも、個人的には悪くはなかったと思う。





こうしてみると、あまりいい評価をしてるようには見えないけど、ドラマCDなどの関連製品も含めると、けっこう面白い作品群になる。(マンガ版はゲーム版と内容そのままらしいので、見なくていいと思うけど)

設定がかなりしっかり作りこまれているようなので、ドラマCDでもキャラの演出がしっかりしていて楽しい。むしろ、本編よりドラマCDのほうが面白いくらい。


ムービー

minoriといえば、新海誠監督によるムービー。今回も、他の作品とは一線を画す、圧倒的な描写と演出が施されたムービーが提供されている。

曲との絶妙なシンクロ。

細かく描き込まれた背景。

独特の光の演出。

テーマソングのサビの部分では、大胆な画面の動きと曲に合わせたカットで、とても強い印象を残す。

この動画が作られたというだけでも「ef」を高く評価していいくらい。



プロモーション用の動画は、Youtubeでも公開されているけど、あまり画質は良くない。

解像度が最も高いのは、エンターブレインムックの「ef TECH GIAN SUPER Prelude」に収録されているもの。1280x960というサイズの動画が収録されている。



このムービーは、本編中ではオープニング的な位置づけだけど、第2章が終わった位置で再生される。つまり、1〜2章はまだ導入部ということ。

プロモーション版の冒頭と末尾には序章にあたる部分が含まれているけど、本編版ではこれがない。かわりに、イントロには優子が紙飛行機を折るシーンが追加。あとは、数枚のカットが変更されている。


テーマソング「悠久の翼」

ムービーと合わせて流れるテーマソング。

透明感ある静かで寂しさすら感じさせる流れから、一気に力強く駆け上がるサビの部分。とても印象深くて、初めて聞いてからしばらく脳内ループが続いていた。

2006年発売ゲームのテーマソングの中では、飛び抜けて印象に残る名曲だと思う。



歌い手は原田ひとみ。あんくの「nachu☆nachu」を歌った人でもある。「nachu☆nachu」の明るくはじけた感じとはずいぶん違うので、同じ人が歌ってるとは聞いただけでは分からない。



あいにく、本編中ではフルバージョンは聞くことができない。「ef - the first tale.」発売時点では、フルバージョンが収録されているのは、先行発売されたサントラCD「eternal feather」だけ。1度再販があったとはいえ、出荷数量自体がかなり少ないようで、入手が困難になっている様子。


ストーリー

序章
クリスマスの夜、“誰か”を待ち続けていた雨宮優子は火村夕と教会で再会する。二人は過去の思い出話を語りあい、そして互いが離れていた間の物語を語りだす。
第1章
序章の1年前のクリスマスの夜。現役学生でありながら少女漫画家でもある広野紘は、ひったくりを追いかける宮村みやこと出会う。それぞれ現状に問題を抱える二人。お互いに自分にないものを相手に見つけ、次第に惹かれ合っていく。しかし、紘の幼なじみの新藤景もまた、紘に好意を寄せていた。そんな中、紘は悩んだ末に答えを出す。
第2章
第1章から半年後、傷を負った新藤景を被写体として追いかける、元映研カメラマンの堤京介。何とか立ち上がろうとする景。彼女をカメラに収めながら、京介は自分に足りなかったものに気づく。

公式のストーリー紹介で、ほぼネタバレされているという罠。


ゲームシステム

Windows Vista:対象外。動くらしいけど未確認。



テキストが画面下部のウィンドウに表示される、アドベンチャータイプのシステム。

テキストをまとめて表示するタイプのバックログはない。

その代わり、テキストウィンドウ内で巻き戻すことが可能。テキストを巻き戻すと、内容に合わせて画面やBGMも(一部効果音も)戻る。戻した位置でキャラの音声は自動で再生。ただし、選択肢の再選択はできない。

シーンの区切りと選択肢の直前でオートセーブが入る。ただ、選択肢は1つでも間違っているとバッドエンドなので、あまり役には立たない。

セーブ枠は多い(90枠)けど、そんなに使わないと思う。



標準では、ゲーム画面を最小化するとBGMの再生やオートプレイも止まる。

環境設定で「非アクティブ時もプレイ進行」を選べば、最小化状態でもBGMが流れる。オートプレイも進行。



基本的なゲーム進行はキーボードだけで可能。

ただし、トップメニュー,環境設定,Memorys(おまけモード)はキーボードでは操作できない。

Backspaseキーで、タスクトレイ(通知領域)にアプリケーションを格納して、画面上から隠すことができる。このとき、システムの音声再生もミュートになる。



1章クリアすると、Memorys(おまけモード)がメニューに出現。グラフィック閲覧,シーン回想,ムービー再生,BGM再生がある。ただし、ムービー再生ができるようになるのは2章をクリアした後。

BGM再生は順次再生。選択した位置から順番に1曲ずつ再生される。



インストール後はDVDメディアは必要なく、ディスクレス起動が可能。

ディスク上のサイズは約3.9GB。



レジストリにインストール場所とインストール情報を格納。なぜか異なる位置に同じものを保存している。



独自のコピープロテクトを採用していて、インストール時にシリアルナンバーの入力が必要。シリアルナンバーはユーザー個別のもので、同梱の使用許諾契約書に印刷されている(たまに、中古で買って、使用許諾契約書がなくてインストールできない人もいる様子)。



独自プロテクトのためか、ネット上にはこのプロテクトに関する、真偽含めたさまざまな噂が飛び交っている。

はっきりと分かっているのは、IDEコントローラーの識別,Windowsが標準で作成している一部の特殊パスの参照。特殊パスはWindows標準の機能で、ユーザーが自由に変更することも可能だが、変更している場合はインストールに失敗する。

一部環境でインストールできない問題は、サポートページで配布されている修正インストーラーでインストール可能。



ムービー再生に環境依存の問題があり、アップデートは必須。



サポートページは、公式ページから、シリアルナンバーを入力してログインする必要がある。


システム雑感

ゲーム本体は特に不満のない、プレイしやすいシステム。負荷も小さくてトラブルもない。



ただ、プロテクトが何をしているのか分からないという不安はある。

修正パッチがシリアルナンバーによって内容が変わるといううわさもある。シリアルナンバーから個別キーを生成していて、何に使っているか分からない。必要性を感じないシステム情報の参照をしていたりと、ゲーム本編ではない部分で不安を感じさせるシステムではある。


ゲームの感想(ネタバレあり)

ネタバレするようなネタがないので、書く事がなかったりする。

シナリオ自体はありふれたもので、意外性はない。そもそも、公式のストーリー紹介だけでほとんど先が読めてしまう。



作中の紘の言葉で、

物語そのものは平凡でもかまわない。

どこにでもありそうな身近な話を、絵と計算しつくした演出で印象づける。

というのがある。これがゲーム製作側の意図していることだと思う。

確かに丁寧に作りこまれていて、凝った演出で印象付けることには成功している。

だけど、それだけとも言える。



残念なのは、脚本に御影氏が関わっていながら、CIRCUSの「水夏」程の感動が得られなかったところ。

シナリオの真相は「the latter tale.」側のほうにあるらしく、「the first tale.」は導入的な位置づけのようなので、後編で大化けする可能性は、まだ残されていると思う。



関連製品は、本編と比べるとかなり面白いので、「the first tale.」はその下地として見るのがいいかもしれない。





選択肢はかなり少なくて、第1章は5つ。第2章にいたっては2つ。どちらもヒロインキャラよりの選択をしていれば問題なし。

ただ、1つでも選択を間違えるとバッドエンド(第1章のみ、4つ目の選択肢はどちらを選んでも影響なし)。

バッドエンドが確定するのは、選択肢からかなり後なので、いちおう選択肢ごとにセーブを推奨。




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*1 minoriの作品は「Wind」以来で、「はるのあしおと」にも気づいていなかったりする。
*2 高速トークをする三田村茜の中の人が出ている作品が話題になった時に、宮村みやこの名前が出た。
*3 それまで、Amazonのダンボール箱の中に埋もれていた。